【ワシントン時事】世界銀行は16日公表した最新の経済見通しで、2025年と26年の世界の実質GDP(国内総生産)伸び率をいずれも2.7%と、昨年6月時点の前回予測から据え置いた。トランプ次期米大統領の高関税政策など先行きに不確実性が大きく、「下振れリスクがある」と、

 世銀は米国が関税を一律で10%引き上げた場合、25年の世界成長率は0.2ポイント押し下げられると推計。さらに、貿易相手が相応の報復関税に踏み切れば、下げは0.3ポイントに達すると見込んだ。「世界での貿易保護主義の増大が政策不透明感の高まりを伴えば、影響はさらに大きくなる」と警告した。

 日本の25年の成長率は1.2%と、前年のゼロ成長から急回復。昨年6月時点の予測から0.2ポイント引き上げた。堅調な企業の設備投資や、賃金上昇による消費支出改善を見込んだ。26年は0.9%成長とし、今後2年で日銀が緩やかに利上げすると予想した。 

 米国の25年は2.3%と、0.5ポイントの大幅な上方修正。旺盛な消費や生産性の向上、労働力供給拡大が寄与する。一方、ユーロ圏は1.0%で、0.4ポイント引き下げ。急激に高まる各国の政局不安などが影を落とす。

 中国の25年の成長率は4.5%と、0.4ポイント引き上げ。最近の景気対策などを反映した。ただ、26年は4.0%に減速すると見通した。企業および公的債務の増大が投資を圧迫。生産性の伸びも鈍化し、収入や消費を抑制するとみられる。

◇世銀の主要国・地域成長率見通し
        25年            26年
世界全体    2.7(  0.0)     2.7(  0.0)
日本      1.2(  0.2)     0.9(  0.0)
米国      2.3(  0.5)     2.0(  0.2)
ユーロ圏    1.0(▲ 0.4)     1.2(▲ 0.1)
中国      4.5(  0.4)     4.0(  0.0)
インド     6.7(  0.0)     6.7(▲ 0.1)

(注)単位%。カッコ内は昨年6月時点の予測からの変化幅で、単位ポイント。▲はマイナス
(了)
(記事提供元=時事通信社)

提供元・Business Journal

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