■更生したが許されず
一時はずいぶん悪いこともしたが、男性は更生しようと決心。今から数年前に思い切って依存症の治療を受けるようになり、ここ2年は違法薬物は一切使用していない。
しかしある日、散々苦労させた母親が末期がんを患っていると、叔父から聞かされた。罪悪感でいっぱいになった男性は、母親が生きているあいだに関係を修復したいと願ったが、母親は男性に会うことを拒否し続けている。
姉、そして母親にとって、男性は「家族ではなく盗人」でしかないというのだ。
■病院に行ったが再会できず
母親とはもう5年も話をしておらず、手遅れになる前にどうしても会っておきたい。男性はそう考え勇気を振り絞って病院に行ってみたが、そこでばったり会った姉はあまりにも冷たかった。
「母さんは、あなたとは一切関わりたくないそうよ」と言い放ち、男性に背を向けたのだ。
そこで病院の職員に「息子です」「母に会いに来ました」と伝えたが、面会は叶わなかった。姉と母親が職員に男性の名前を伝え、「病室には絶対に通さないで」とお願いしてあったからだ。