嫌な予感がする北朝鮮の挑発
12月の北朝鮮の党中央委員会拡大総会で金正恩氏が南北共存は不可能と明言しました。日本ではさらっとしかニュースで扱われていませんが、これは極めて重大な方針転換の最終決断であり、これを日本を含めた外交筋が見逃すわけにはいきません。
朝鮮半島は北朝鮮からすれば「一国二制度」的猶予期間が長く続いており、緊張とその緩和が繰り返されてきました。ですが、今回、思想及び政策的断絶は明白でそれを修復することは不可能と明言したため、北朝鮮は今後、韓国を敵対視し、挑発を繰り返すことになるはずです。事実、北朝鮮との国境近くの韓国、白翎島と延坪島でいざこざが発生しました。
金正恩氏は昨年のプーチン大統領との会談以降、明らかにスタンスが変わり、政策に積極性が見られます。ロシアへの武器の供与を含め経済的に息を吹き返した感があります。但し、中国と北朝鮮の外交については明白な動きは見られない気がします。
中国は台湾問題を抱え、間もなくその選挙の結果がわかりますが、どういう結果にせよ習氏は実力行使はしないのではないか、と予想する向きもあります。そうだとすれば金氏と中国側は必ずしも政策的に同一歩調とは言い切れず、ロシアにそそのかされている感が濃厚になります。
韓国は春に総選挙がありますが、北朝鮮の挑発が続くようなら選挙情勢は全く変わります。また私が見る限り北朝鮮の不満とは韓国とアメリカのタッグマッチだとみていますが、それ以上何か求めているのか、ここがわかりにくいのです。自国の傘下に入れたいのでしょうか?
仮にロシアが北朝鮮の背後につき、中国も何らかの形でそれを支援するなら朝鮮戦争のチームが再び揃うという嫌なシナリオもあり得ます。そうなれば韓国は日本と友好にならざるを得ない、というオセロゲームが生じ、東アジアの行方は思った以上に緊迫しそうだというのも24年の注目点かもしれません。
後記 正月と言えば箱根駅伝、箱根駅伝と言えば我が母校。下馬評を覆して優勝させて頂きました。今までの諸先輩が卒業し、一時的なブランクを経て比較的新しいメンバーで臨んだ今大会の勝者は選手と共にやっぱり原監督の采配なのでしょう。「名将」に留まらず、人間的な奥行きを感じます。
監督の仕事は勝負を勝利に導くだけではなく選手のメンタルを浄化させ、カラダの奥底から湧き上がる前向きな気持ちを作り出す人望と才能を改めて見せたと思います。とにもかくにも優勝、おめでとうございました。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2024年1月6日の記事より転載させていただきました。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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