科学の発展した現代においても、未だ解明されていない謎が世界には数多く存在する。その中でも特に注目に値するのが、バルト海の深海に眠る謎めいた巨大構造物である。発見から14年が経過した今、この謎の解明に再び挑もうとする動きが始まっている。

発見の経緯と特異な現象

 2011年、スウェーデンの調査チーム「Ocean X」は、ボスニア湾の水深90メートルの地点で、直径60メートルにも及ぶ異様な形状の構造物を発見した。この構造物は、映画「スター・ウォーズ」に登場する宇宙船「ミレニアム・ファルコン号」に酷似していたことから、世界中の注目を集めることとなった。

 特筆すべきは、この構造物の周辺200メートル以内に近づくと、探査機器に異常が発生するという不可解な現象である。探査チームのデニス・オースベリと彼のパートナーであるピーター・リンドバーグは、2012年に詳細な調査を実施したが、電子機器の度重なる故障に見舞われ、十分な調査を行うことができなかった。

 この現象は、構造物が持つ何らかの特性に起因するのではないかと推測されているが、現在に至るまで科学的な説明は得られていない。

様々な仮説と科学的検証  この発見は、イギリスの大衆紙デイリー・メールが報じたことをきっかけに、様々な憶測を呼ぶこととなった。墜落したUFOである可能性から、人類の歴史よりも古い人工物である可能性まで、多岐にわたる仮説が提唱された。

 一方で科学界からは慎重な見方も示されている。ウッズホール海洋研究所のハヌマント・シンは、使用された音波探査装置の精度に疑問を投げかけ、画像の信頼性に疑義を呈している。また、ストックホルム大学の地質学者フォルカー・ブリュヒェルトは、2022年に採取された海底のサンプルを分析し、これらが氷河期に形成された自然の地質構造である可能性を指摘している。

 しかし、興味深いことに、構造物本体からのサンプル採取は、その硬度の高さゆえに実現していない。このため、構造物の正体を断定するには至っていない。

「バルト海の異物」14年の時を経て再び注目を集める!墜落したUFOか、古代の人工物か
(画像=画像は「Espacio Misterio」より,『TOCANA』より 引用)