ACTによる買収提案

 セブン&アイHDは現在、北米をはじめ世界約30カ国に約1万7000店舗を展開するカナダの大手コンビニエンスストア運営会社、アリマンタシォン・クシュタール(ACT)から買収提案を受けている。セブン&アイHDは社外取締役で構成する独立委員会を設置して検討し、「潜在的な株主価値の短中期的な実現について著しく過小評価している」との理由で拒否。ACTは昨年9月、1株あたり18.19ドル(買収総額は約7兆円)に引き上げて再提案を行ったが、米国の独占禁止法(反トラスト法)や、外資による日本企業への出資を規制する外為法に抵触する可能性もあり、先行きは不透明だ。

 セブン&アイHDはACTによる提案に賛同の姿勢を示さない一方、対抗策を重ねてきた。10月、事実上の買収防衛策として、傘下のイトーヨーカ堂やヨークベニマルをはじめとする非中核事業を連結子会社から外す方針を固めた。中間持ち株会社「ヨーク・ホールディングス」を設立し、傘下にイトーヨーカ堂、ヨークベニマル、赤ちゃん本舗、ロフト、「デニーズ」などの外食事業のセブン&アイ・フードシステムズなど非コンビニ事業会社を入れる。さらに、株式の過半を26年2月までに売却すると発表し、手続きを進めている。また、セブン創業家による株式非公開化(経営陣による買収:MBO)も検討しており、米プライベートエクイティ投資会社のアポロ・グローバル・マネジメントが出資を検討しているとの報道も出ている。

(文=Business Journal編集部、協力=渡辺広明/消費経済アナリスト)

提供元・Business Journal

【関連記事】
初心者が投資を始めるなら、何がおすすめ?
地元住民も疑問…西八王子、本当に住みやすい街1位の謎 家賃も葛飾区と同程度
有名百貨店・デパートどこの株主優待がおすすめ?
現役東大生に聞いた「受験直前の過ごし方」…勉強法、体調管理、メンタル管理
積立NISAで月1万円を投資した場合の利益はいくらになる?