車を購入する際は、車両価格だけではなく「その後の維持費」まで検討しておくことが大切です。しかし「大体このくらいかな」と見込んでいても、想定外の出費に苦労することもあるでしょう。

なかにはあまりの維持費の高さに、愛車の維持を諦めざるをえなくなることも……。今回はドライバーの方々から、「予想外の維持費に愛車を手放した経験」について話を聞きました。

目次
知り合いに安く譲ってもらったのはいいけれど…

知り合いに安く譲ってもらったのはいいけれど…

「買ったあとのほうがお金かかるやん…」車選びは“維持費”も含めて考えて!考えなかった人たちの話が切ない
(画像=©kawee/stock.adobe.com、『MOBY』より 引用)

維持費をめぐる失敗にはさまざまなケースが考えられますが、はじめて車を所有する場合にはとくに、「その後の費用」まで考えが及ばないこともあるでしょう。

「免許を取ってから自分の車はもっていなかったんですけど、地方に就職して車が必要になり、何を買おうか迷っていたんです。そこでちょうど、兄から『友達が乗り替えるから安く譲ってやるって』といわれ、20万円でクラウンマジェスタを譲ってもらったんですよね。

当時で15年落ちの車でしたけど、内外装はキレイでしたし、高級感もあったので、最初は『20万円でほんとにいいのかな』と思っていました。

ただ乗っていると、燃費は悪いしハイオクだし……。通勤で毎日往復30kmくらい走るので、ボディブローのようにガソリン代が響いてきました。通勤以外ではあまり使っていませんでしたが、それでも月に3万円くらいはかかっていたと思います。

自動車税も9万円とかで、最初はケタを間違えているんじゃないかと思いましたね。さらに決定的だったのが車検でした。普通の整備工場に出したんですけど、30万円くらいの見積もりを提示されて。半分くらいがタイヤ代だったと思います。

30万円かけて、この金食い虫に乗りつづけるのかと思うと、さすがにゲンナリしてきて、車検を通さずに乗り替えることに決めました。中古のアクアを買いましたけど、ガソリン代は4分の1くらいになり、だいぶ楽になりましたね」(30代男性)

中古車情報サイトなどを眺めていると、「古い高級車」がお手頃価格に映ることもあるでしょう。しかし排気量の大きさや燃費の悪さなど、後になって維持費に苦しめるケースは珍しくありません。

タイヤ代など消耗品のコストも高くなる傾向にあり、整備費用などが嵩んだ結果、「総合的に見ると新車の方が安かった」といった事態に陥ることもあるようです。

目次
えっ? 自分が高リスクドライバー?

えっ? 自分が高リスクドライバー?

「買ったあとのほうがお金かかるやん…」車選びは“維持費”も含めて考えて!考えなかった人たちの話が切ない
(画像=©umaruchan4678/stock.adobe.com,『MOBY』より 引用)

車の維持費を考えるうえで、厄介なのが「任意保険」です。年齢や等級、車種によって保険料が大きく変わるため、「自分はこのくらい」と正確に見積もることが難しいこともあるでしょう。

「今から15年ほど前ですが、高校生の頃からシルビアに乗りたくて、バイトでお金を貯めていました。自分のお金で免許も取って、3学期が終わってから中古車を見に行き、80万円くらいのタマを買うことにしたんですけど……。

契約後、任意保険の見積もりを見て血の気が引きました。年間30万円近くて、『これは何の冗談だろう』って。せいぜい月に1万円くらいだろうと思っていたんですけど、甘すぎましたね。

その後、高校を出てすぐに就職して、一人暮らしのお金もかかるし、車の維持費と家賃だけで給料の半分以上をもっていかれちゃう状態で……。満足にドライブもできませんでした。当時付き合っていた彼女とも毎回家デートで、そのうち文句をいわれるようになって。

結局半年くらいでシルビアは売ってしまって、しばらくは軽のアルトワークスに乗ることにしたんです。それ以来、お金のことはあまり気にせずドライブに行けるようになったので、『最初から軽にしておけばよかったな』と思いましたね」(30代男性)

一般に、21歳未満のドライバーは統計上の事故率が高いことから、保険料も割高に設定されています。さらにスポーツカーも保険料率の高い車種が多いことから、「免許を取ってすぐスポーツカー」という状況は、保険料が非常に高額になりやすいケースだといえるでしょう。

目次
「乗れない車」にお金を払いつづける苦行

「乗れない車」にお金を払いつづける苦行

「買ったあとのほうがお金かかるやん…」車選びは“維持費”も含めて考えて!考えなかった人たちの話が切ない
(画像=©metamorworks/stock.adobe.com,『MOBY』より 引用)

事前に維持費を考えるにあたり、見通しにくいのが「修理費」などのイレギュラーな出費です。とくに中古車を買う場合には、車両によって状態が大きく異なるため、後になって思わぬ故障に悩まされるケースも考えられます。

「若い頃に中古の輸入車を買って、修理ばかりでなかなか乗れず、結局すぐに手放した経験があります。9年落ちのドイツ車を買ったんですけど、納車されてから2ヶ月ほどで運転中にエンジンが止まり、ロードサービスを呼んで。燃料ポンプの劣化が原因でした。

それからも足まわりやミッションの不具合で入庫を繰り返し、1年間の修理費だけで80万円くらいかかったと思います。まともに乗れたのは1年のうち半分もなかったですね。

それでも乗っているときは爽快でしたが、さすがに半分も乗れない車に修理費と維持費を払いつづけるのもバカらしくなり、車検を前に普通の国産車に買い替えました。乗り替えてからは『修理しなくても毎日乗れる』というのが新鮮でありがたかったですね」(40代男性)

ある程度故障のリスクは見込んでいても、実際に修理の必要が生じると、「整備工場などに預けて乗れない期間」が出てきてしまいます。頻繁に入庫を繰り返すような状況では、たとえ代車があっても「何のために買ったのか」がわからなくなるでしょう。

税金や保険、ガソリン代に駐車場代、さらには消耗品の交換費用や修理費など、1台の車を所有するだけでも実に多く出費が必要になります。車を購入する際には勢いも大切ですが、それぞれのポイントでどれくらいお金がかかるのか、事前にじっくりと検討しておきたいところです。

文・MOBY編集部/提供元・MOBY

【関連記事】
【新車情報カレンダー 2021~2022年】新型車デビュー・フルモデルチェンジ予想&リーク&スクープ
運転免許証で学科試験の点数がバレる?意外と知らない免許証の見方
今一番危険な車両盗難手口・CANインベーダーとは?仕組みと対策方法
SNSで話題になった”渋滞吸収車”とは?迷惑運転かと思いきや「上級者だ」と絶賛
トヨタ 次期型ノア&ヴォクシーに関する最新リーク情報すべて