ベルグソン 写真:Getty Images

 東南アジア最強を決めるASEAN三菱電機カップ2024で、無念のグループステージ敗退に終わったマレーシア代表は、3月末のアジアカップ最終予選までにさらなる帰化選手を迎えてチームを補強する計画だ。マレーシアサッカー協会(FAM)は、ヨーロッパ出身選手6、7人を帰化させる方針で、手続きが円滑に進むよう政府に支援要請しているという。成功すれば、最大16人の帰化選手でアジアカップ最終予選に臨むことになる。

 これは『ニュー・ストレーツ・タイムズ』が、マレーシア1部ジョホール・ダルル・タクジム(JDT)会長で、元FAM会長のトゥンク・イスマイル・スルタン・イブラヒム皇太子のコメントとして紹介したもの。殿下は帰化戦略のターゲットとなっている選手たちの情報については言及しなかった。

 これらのヨーロッパ出身選手に加えて、ブラジル人FWベルグソン(33歳)とアルゼンチン人MFマヌエル・イダルゴ(25歳)も帰化候補に挙がっているという。ベルグソンはブラジルの名門グレミオ下部組織出身で、過去には韓国1部水原三星ブルーウィングスでもプレーし、2021年からJDTに所属。JDTではこれまでに120試合に出場して126ゴールを記録している。イダルゴも2021年からマレーシアでプレーしており、現在はスリ・パハンFCの所属となっている。

 JDT会長のトゥンク・イスマイル殿下は、マレーシアサッカー界で極めて大きな影響力を持つ人物。予てより東南アジア選手権の不要論を唱える殿下は、今回のASEAN三菱電機カップにJDTからの選手派遣を拒否。多くの主力を欠いたマレーシア代表は本来の実力とは程遠く、1勝1敗2分の3位でグループステージ敗退を喫した。

 マレーシア代表では昨年末、前FC東京監督のピーター・クラモフスキー氏が新監督に就任。さらに、元ジェフユナイテッド千葉の元オーストラリア代表DFマーク・ミリガン氏がコーチに就任したほか、元カナダ代表FWロブ・フレンド氏がマレーシア代表CEOに就任するなど指導陣・フロント陣が一新された。