メジャーリーグサッカー(MLS)のトロントが、ブラジル人FWチアゴ・アンドラーデをJ1のセレッソ大阪に移籍させたことが1月13日に発表された。これは単なる選手の移籍ではなく、MLS全体としてもJリーグの魅力を活用した新たな挑戦と見ることができると、アメリカのサッカーメディアが指摘している。
トロントは2024シーズンをイースタン・カンファレンス11位で終え、プレーオフ進出を逃した。この結果を受けチームの戦略を大きく転換し、グローバル市場を視野に入れた積極的なアプローチに踏み切った形で、アンドラーデの移籍はその象徴とも言える。C大阪の様な競争の激しいクラブでプレーすることで、選手としての能力を試すだけでなく、MLSが国際市場で選手育成と輸出の実績を示す好機となり、アジア市場でのプレゼンスを高める狙いも含まれているようだ。
さらに、アジア市場が欧州市場に匹敵する選手の選択肢として注目されるようになってきていることも見逃せない。Jリーグはその中心的な存在と考えられており、今回の移籍はMLSにとって新たな道を切り開くきっかけになるかもしれないと期待されている。
アンドラーデはニューヨーク・シティに所属(2021-2024)していたが出場機会に恵まれず、ブラジルのアトレチコ・パラナエンセ(2023)や中国の深圳新鵬城(2024)へのローン移籍を繰り返していた。そんな選手を2025年のMLS拡張ドラフトでトロントが獲得した目的は、チームに新たな刺激を与えることだった。しかし、MLS内で育成するのではなく、競争の激しいJリーグに送り出すという選択がなされた。
トロントのこの挑戦が功を奏すかどうか、今後のアンドラーデの活躍にアメリカからも高い注目が集まりそうだ。