現代の歩行スタイルは、体を左右にねじる歩き方です。動きが多く、それが腰や膝、肩への負担につながることが少なくないと、茂山さんは言います。
「ナンバ歩きでは体の軸を意識し、無駄なねじりを抑えるため、怪我のリスクを低減する効果もあります。実際、現代のスポーツにおいても、ナンバ歩きの技術を取り入れることで、ランニングのパフォーマンスが向上し、効率的なエネルギー消費が可能となる例が見られます」(茂山さん)
「ナンバ歩きは、単なる歩行法ではなく、身体の使い方全体を見直すことにつながる歩行です。かつての日本人が自然とおこなっていたこの体使いは、身体のバランスを整え、健康を維持するための知恵が詰まっています」(同)
和儀を通じて摺り足を習得し、無理なくナンバの動きを現代の生活に取り入れることで、体への負担を減らし、健康的な生活を送る手助けとなるでしょう。これは、単なる身体的なトレーニングではなく、心と身体のバランスを見つける方法です。簡単ですから、この機会に取り入れてみませんか。
尾藤 克之(コラムニスト・著述家)
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2年振りに22冊目の本を出版しました。
「読書を自分の武器にする技術」(WAVE出版)