私から見ればトランプ氏と習金平氏はどっこいどっこいなんです。保身するため、ポイントゲッター的な耳障りのよいネタをばら撒く点で似ているのです。違いがあるとすればトランプ氏はディールを引き出したいためであり必ずしも本心ではないこと、習近平氏はイデオロギーなので本心であること、この違いぐらいです。
困ったことにはアメリカの主要企業もトランプ氏を敵に回したら自社の存続に影響すると思ったのか、トランプ氏支持に回るところが次々と出ている点です。メタ社がファクトチェックを緩和する発表をしたのもその一環。ザッカーバーグ氏がトランプ氏との会食で飲まされた毒が廻って来たのでしょう。会食に招待されていないエヌビディアのジェンスン ファン氏は「会いに行って当選のお祝いを述べ、次期政権の成功のためにできることは何でもしたい気持ちだ」と持ち上げています。
世界各国の外交筋も悩ましいと思います。通常は二国間会議はしかるべきルートを通じて成果が期待できるだけの事務方の果実が実るときに行います。ところがトランプ氏が今日まで会った諸外国の首長は概ねトランプ氏が会いたい人です。イタリアのメローニ氏とフロリダで会食した際にはべた褒めしています。メローニ氏は極右とされガチガチの保守である点でウマが合ったのでしょう。トランプ氏はアルゼンチンのミレイ大統領のような個性豊かで保守志向の強い人材を積極的に受け入れています。
私の予想では石破氏は2月に見込まれる日米首脳会談は実施されても容易くない内容になるとみています。石破氏もどこまで強い意志を持って会談に臨みたいのか読みにくいのです。だいたい孫正義氏を接待して情報をもらったところからしてレベルが低いと思います。トップ交代後の日米首脳会合とは一般には両国間の関係維持強化を確認することと、そのためにできる新しいことを議論するのが一般外交の流れです。ところがトランプ氏はそんなことより日本とディールをしたいのです。当然それはタダではない、ここが恐ろしく怖いところで石破氏は腰が引けているのだろうと思います。