それではまた電車に乗って直方方面に進みたいと思います。
政治
長崎街道の宿場として栄えた木屋瀬
終点・直方で鉄橋を渡る筑豊電鉄を望む
2025/01/17
北九州のローカル私鉄・筑豊電鉄をゆく
次に下車したのは木屋瀬(こやのせ)駅。この近くには木屋瀬宿という古い宿場町の跡があります。木屋瀬宿は小倉から長崎に通じていた長崎街道の宿場町として発展していました。
現代では博多経由で長崎に向かうのがメインルートになっていますが、当時は距離的に近い飯塚など筑豊地方を経由する道が主要なルートとなっていました。
少し歩けばこのような趣深い街並みが残っています。道路が舗装されたものでなければ本当に江戸時代にタイムスリップしたかのようです。訪問するまで北九州にこんな宿場町があるなんて知りませんでした。
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人馬継などで栄えた野口家
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旧高崎家は地元の豪商で板場、醤油製造などを経営していました。私が訪ねたのは朝早かったため開館準備中でしたが、資料館として建物の中の様子を見ることができるようです。
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軒裏まで漆喰で塗り固められた村庄屋・松尾家
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宿場の入り口「西構口」にはその名残の石垣が残ります。民家敷地の一部になっているのが驚きです。
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木屋瀬宿は長崎街道から唐津街道が分岐する場所でもありました。分岐の石標のレプリカが建っています。かつて交通の要衝であったことを今に伝えています。
木屋瀬駅から再び筑豊電鉄に乗車、終点の筑豊直方駅に到着しました。車両右側に出口がないため、いったん運転士が後方に移って料金の授受を行う形をとっています。
ここからJR直方駅までは徒歩10分ほどの距離。少し時間があるので折り返し電車が遠賀川を渡る姿を見に行きます。川は駅のすぐ裏手にあります。これまでずっと川の東側を走ってきましたが、最後の最後で川を渡り終着駅に入る形です。
私が乗ってきた列車が折り返し、黒崎駅前方面に向かって走ってゆきます。
長い鉄橋を1両のレールバスのような車両が走っていく姿が旅情を誘います。
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