「うわさを打ち消すには、行動で示すのが一番いい~(中略)~200人のツアーを組んで日光を訪れます」
2022年7月11日、3日前に暗殺された故・安倍晋三元総理へ弔意を示すため、頼清徳は来日し安倍家を弔問。当時は副総統としての来日で、蔡英文総統の代理という側面があったと推察する。しかし、これ以前から頼清徳は何度も来日しており、その度に日本に対して深い愛情と連帯を示してきた親日政治家である。
2011年の東日本大震災後に「放射能汚染」で風評被害を受けた自治体の一つである栃木県日光市。日光市長が窮状を訴えると、頼清徳は市長をラジオ番組に誘い日光の安全性をアピールさせた。そして「行こう日光」と書かれたTシャツを着用して、訪問団を組んで訪日するのである。
2016年の熊本地震でも義援金を持って訪日するなど、行動で日台関係を支えてきたのが頼清徳その人であることが良く分かる。
多くの住民が自らを台湾人と認識する、現代台湾。一方で台湾人の関心は独立問題にだけあるのではなく、私たち日本人と同じように就職、経済、結婚、子育て、老後など社会問題全般へと広がっている。他の先進国と同様に社会問題を抱える中で、しかし頼清徳は緊張する台中関係を上手く制御し安定化させなければならない。
これから4年間の東アジア情勢を観察する上で、台湾新総統の人物像を探ることは大変意義深いものである。
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