鈴木彩艶 写真:Getty Images

 プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッドは、今2024/25シーズンのゴールキーパー陣における課題を解決するため、新たな選手の補強を目指しているようだ。2023年に当時J1の浦和レッズに所属していた日本代表GK鈴木彩艶にオファーを送ったユナイテッドだが、現在パルマに所属する鈴木のセリエAでの活躍を受けて再び関心を寄せている。

 現在、ユナイテッドの正守護神を務めるGKアンドレ・オナナは、セリエAのインテルから2023年に加入以来、一貫性を欠くパフォーマンスが続いている。リーグで防いだゴール数は上位5位に入る一方、セーブ成功率や90分あたりのセーブ数ではリーグ下位に沈んでいる。

 第2ゴールキーパーであるGKアルタイ・バユンドゥルも、オナナの十分な競争相手とはいえず、出場機会を求めて1月中に退団する可能性が囁かれている。こうした背景から、ユナイテッドは鈴木に再び注目しているとして連日メディアを騒がせている。

 昨2024年夏にパルマへ移籍して以来、目覚ましいパフォーマンスを披露している鈴木。今シーズン第19節まで34失点を記録したものの、鈴木がいなければパルマはさらに多くの失点を喫したと分析されている。ボールを扱う能力に優れ、前方へのパスやファイナルサードへの配球ではリーグトップ、プログレッシブパスやスルーパスでも上位にランクイン。さらに、ラインを積極的に飛び出すスタイルが特徴で、高い最終ラインを採用するチームに適している。

 守備面でも存在感を発揮し、空中戦やインターセプトなどの指標でリーグトップを記録している一方で、セーブ成功率は低い。ただし、これは鈴木が対峙するシュートの質の高さが影響しており、PSxG(Post Shot Expected Goals)データでは難しいシュートを多く防いでいることが示されている。ちなみにPSxGとは、ゴール枠内に飛んだシュートの得点期待値を示す指標で、ゴールキーパーが防ぐ難易度の高さを評価する際にも用いられる。