単純にコードを書くだけのプログラマーは厳しい

 データアナリストで鶴見教育工学研究所の田中健太氏はいう。

「他の人が作成した要件定義や設計の内容に従って、単純にコードを書くだけのプログラマーというのは、AIに置き換えられて減っていくかもしれません。一方で、企業におけるデジタル化の動きは今後も強まっていくので、ITエンジニア全体へのニーズは高まっていきます。ですので、企業がやりたいことをどのようにシステムとして実現するのか、新技術をどのように具体的な業務に落とし込んで効率改善を実現していくのかを検討・企画して実装できる、付加価値の高いスキルや問題解決能力を身につける必要があります」

 すでにプログラマーの仕事がAIに置き換えられるという事態は進行しているのか。

「たとえばエンジニアを数多く抱えている企業では、エンジニアのパフォーマンスを向上させたり問題を解消するためにAIを活用するというかたちで導入が広がっています。一方、クライアントからシステム開発を受託する人出し系の企業において、受注する仕事量が大幅に減るというようなことは、まだ起きていないでしょう。

 ですが、今後は企業としても、単にプログラマーを確保することよりも、生成AIを利用する環境を整えることなどに予算を配分していくという流れになっていくでしょうから、こうした投資に関する企業の意思決定も、プログラマーの需要に大きく影響してくるでしょう。例えば9月17日付『日経クロステック』記事によれば、23年に1万2000人を削減した米アルファベット(グーグルの親会社)は従業員向け文書で、人員を削減して資金をAIへの投資に充てると説明したといいます」(田中氏)

 では、ITエンジニアは今後、生き残っていくにはどうすればよいのか。

「繰り返しになりますが、ITエンジニア全体でみればニーズは高まっていくと考えられるので、日々勉強をして付加価値を高める努力を続けることが大切です。変化し続ける技術トレンドを追いかけ、知識を取り入れるだけでなくて、実際に使ってみたり、業務に生かしてみようという姿勢が必要です」(田中氏)

(文=Business Journal編集部、協力=田中健太/データアナリスト、鶴見教育工学研究所)

提供元・Business Journal

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