労働力確保の問題

 将来的な野菜の供給や価格を左右する大きな要因の一つとして、労働力の問題は無視できないという。

「たとえば白菜農家の場合、かつては2~3haで大規模とされていましたが、今は20ha規模の経営も珍しくありません。そうした大規模農家を支えているのは雇用労働者ですが、その多くは技能実習生などの外国人労働者です。しかし、円安のため日本で働く魅力は薄れてきています。経済成長を遂げて自国の賃金が上昇した中国からやって来る人の数は減少しました。代わって増えたのはベトナム人です。今はインドネシア人が増えているようですが、日本との経済格差が縮小していけば減っていくでしょう。国内では新規就農者は減少傾向ですし、農業雇用労働力の不足は深刻化です。この問題は大規模経営を直撃します。野菜産地では大規模経営の生産シェアは高くなっているので、こうした経営が苦境に立つと長期的には供給量は先細り、価格は激しく上昇してしまうかもしれません」(安藤氏)

(文=Business Journal編集部、協力=安藤光義/東京大学大学院教授)

提供元・Business Journal

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