金明輝監督 写真:Getty Images

 アビスパ福岡は2024年12月、サガン鳥栖時代のパワーハラスメント(パワハラ)行為で話題を呼び、町田ゼルビアで黒田剛監督の参謀役だった金明輝氏の監督就任を公式発表。『株式会社ふくや』のスポンサー契約満了をはじめ多方面に影響が出ているが、日本サッカー協会(JFA)影山雅永技術委員長の金新監督に対する“応援発言”が波紋を呼んでいる。

 報道によると、影山委員長は1月10日の技術委員会後に「彼は制裁を受けたし、更生プログラムはきちんとやった。S級ライセンスを剥奪されA級に降格した」などと、金氏に対する制裁に言及。「過去には色々あったけど、僕は彼のことを応援している」と、福岡の新監督を後押ししたという。

 この報道を受けて、ネット上では一部から影山委員長の発言に肯定的な意見が挙がる一方で、「日本サッカー界はパワハラ肯定しましたね」「本来なら永久追放まで考えられるのに、更生プログラムに禊期間を勤め上げればOKという事を全世界に発表してしまった…」といった指摘も。「日本サッカー界は、世間の常識からかけ離れている」「パワハラに対する受け止め方や認識が甘い」「被害者のことを考えていない」など、同委員長への批判も相次いでいる。

 金氏は2020年まで鳥栖の下部組織やトップチームを率いていたが、監督退任後に鳥栖下部組織でのパワハラ行為が認定。日本サッカー協会(JFA)の定める規則に違反したとして、指導者ライセンスでS級からA級への降格処分、JFAの定める研修、社会奉仕活動を科されていた。

 金氏の福岡監督就任を巡っては、「金監督就任は『子供たちに夢をと感動を』というチームスローガンに反する」など、川森敬史代表取締役会長などクラブ幹部に対する批判や疑問の声が噴出。就任発表前には、「金明輝監督を招へいは公金を使う出資の目的に反するのでは?」などと、福岡市に対してクラブへの出資見直しを求める声が挙がっていた。近年の日本社会において、パワハラ行為に対する目が厳しくなっているだけに、影山JFA委員長の発言内容が世間の認識からずれていると感じる国民は多いと考えられる。