私たちが地球の気候と呼ぶものは、「十分に長い時間について平均した大気の状態」のことを指しています。
人類が地球の気候について語ったり、天気予報が行えるのは長期間安定した大気の動きを観測し続けることで、平均的な変化を予想しているからにすぎません。
地球全体の巨大な大気の状態や、今まさに起きている変化については、先端の研究でもすべてを把握することは難しく、今後の動きを予測することも困難です。
そのため北極に暖穴という登場し、地球温暖化に伴って今後拡大していくと、日本や北米ではこれまで見られなかったような強い寒波が襲来しやすくなる可能性が非常に高くなると考えられるのです。
今回紹介した研究は2019年に報告されたものですが、25年現在も強烈な寒波に日本が襲われていることを考えると、北極の気温変化で、今後日本が強烈な寒波に襲われる頻度が高くなる可能性があります。
温暖化と言われると温かい気候に変化していくというイメージを持ってしまいがちですが、日本に住む私たちは強い寒波や豪雪に備えた対策を考えていく必要があるでしょう。
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参考文献
32年ぶりの大寒波は温暖化の影響か?~北極海アラスカ沖に空いた海氷の巨大な穴が作る偏西風蛇行~~…
https://www.mie-u.ac.jp/R-navi/release/cat-1/32.html
元論文
Warm hole in Pacific Arctic sea ice cover forced mid-latitude Northern Hemisphere cooling during winter 2017–18
https://www.nature.com/articles/s41598-019-41682-4
ライター
海沼 賢: 大学では電気電子工学、大学院では知識科学を専攻。科学進歩と共に分断されがちな分野間交流の場、一般の人々が科学知識とふれあう場の創出を目指しています。