ポルトガル代表キャプテンのFWクリスティアーノ・ロナウドが、サウジ・プロフェッショナルリーグ(SPL)のアル・ナスルへ2023年に移籍して以来、その発言は度々注目を集めてきた。12月27日にはドバイで開催されたグローブ・サッカー・アワードで、SPLがフランスのリーグ・アンよりも競争力が高いと主張し物議を醸したが、このコメントに賛否両論が巻き起こった。
伝統的に欧州トップリーグの一角とされるリーグ・アンを下に見る内容に批判の声が上がる一方で、元アメリカ代表のアレクシー・ララス氏(2003年引退)がロナウドを擁護している。
ララス氏は、12月31日に公開された自身のポッドキャストで、「ロナウドがサウジアラビアを擁護する姿勢が好きだ。従来のルートを外れた挑戦は、多くの人が理解しないリーグの独自性や課題に直面する機会を与えている」と述べた。
また、メジャーリーグサッカー(MLS)との共通点についても触れ「SPLやMLSのようなリーグは、世界的に軽視されがちだ。しかし、こうした環境でプレーする選手たちは、文化や環境への適応など、他のリーグにはない独特の挑戦を経験する。これが選手個人やリーグ全体の成長につながり、結果的に競争力を高めている」と語った。
ララス氏は、1994年のFIFAワールドカップ(W杯)アメリカ大会で注目を集めた元アメリカ代表のディフェンダーであり、当時イタリアのセリエAに所属していたカルチョ・パドヴァ(セリエC)でプレーした経験(1994-96)を持つ。引退後はサッカー解説者として活動し、MLSやSPLのように過小評価されがちなリーグの可能性を評価してきた。
SPLやMLSなど、非欧州リーグは近年急速に成長している。特にロナウドやFWリオネル・メッシ(インテル・マイアミ)の加入によって注目度が高まり、欧州リーグに依存しない新たな競争の場として台頭している。ロナウドの発言は、欧州以外のリーグの存在意義を問い直す機会となったのかもしれない。