北朝鮮製武器についてはウクライナ東部で戦闘を繰り返しているロシア兵士の間で今、「北朝鮮製の砲丸の品質の悪さに苦情が増えている」(ドイツ民間放送ニュース専門局ntvのヴェブサイト12月9日)という記事が報じられてきた。
北朝鮮製153ミリ飛翔体用推進剤5種類を無作為に分析したところ、一部の推進薬には銅の堆積を減らすための通常のリード線が欠けていた。「推進剤粉末の色にも明らかな違いがあり、これは燃焼の質の違いを間接的に示している」という。また、噴射剤の量も異なるというのだ。「装薬にリード線が含まれていないため、パイプの摩耗が増加する」という。
その北朝鮮製武器の株が急上昇し、ウクライナ戦争の行方を左右するほどの影響を与えているのだ。北朝鮮製武器の品質が急に向上した結果というより、ロシアの武器不足がそれだけ深刻だというほうが正しいだろう。
韓国の聯合ニュースによると、英国の研究機関「紛争兵器研究所(CAR)」は24日、最新の報告書の中で、「ウクライナに着弾した弾道ミサイルを分析した結果、部品にハングルが記載されており、北朝鮮製と推定される。ハルキウに着弾したミサイルは北朝鮮製のKN23かKN24だ」と指摘している。
ちなみに、聯合ニュースは「パレスチナ・ガザ地区を実効支配する武装組織ハマスやイエメンの親イラン民兵組織フーシ派が使った兵器にもハングルの表記が確認された」と報じ、北朝鮮が中東の紛争勢力に積極的に武器を売りつけていることを示唆している。
「必要な時の友は本当の友」という諺があるが、ロシアのプーチン大統領にとって北朝鮮はそれに当てはまるのかもしれない。一方、金正恩総書記はウクライナ戦争をロシアとの関係強化のチャンスと受け取っているのだろう。
編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2024年1月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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