そこで積み上げた経験と社会人生活はたぶん、多くの日本在住の方とはやや違う人生経験となったと思います。外交官にはなれませんでしたが、当地の領事館とは様々なご縁があり、一時期は「隠れ領事館員」と言われるほどご一緒に仕事をさせて頂いた時期もあります。これらは全て学生の時から欲しかった国際人としての経験です。
過去、本を書こうかと思ったことは何度もあります。実際に原稿用紙300枚分ぐらい書き、しかるべきところまで行ったこともありますが、諸事情により止めました。一方、私の周りには執筆する人が多く、「名刺代わりです」と自著を頂くこともしばしばでした。
私も出版したい、と思う一方、多くの頂いた本は「これ、売れないだろうな」というものも多かったのです。その上、書籍化するとした瞬間、内容は売れるという視点で編集するので出版側と著者の意図が必ずしも合致しないような内容になることもあるでしょう。
だったらブログの方がいいじゃないか、そう思い始めたのです。このブログは長くても大体2000字前後です。つまり原稿用紙5枚程度。これならより多くの皆様に日常、お読みいただけるし、私も常に最新の社会情勢を基にいろいろなことを考え、呟けると考えたのです。
ブログも昔はアフリエートのような稼ぐモデルがありましたが、私はそれには全く無縁であります。つまり、海外に住む一日本人の目線からお伝えしたいことを書き続ける、そこにフォーカスしたのです。
ブロガーをしていて楽しいのか、と言われると私にとって朝の脳の体操だと考えています。インプットされている情報を脳内変換していかにアウトプットするかです。当然、一個人が書いている内容ですからかなり粗く記述内容にご指摘を受けることもしばしばですが、最大の注力は細かい表現の問題ではなく、考え方としてのベクトルを大事にしています。
お前は保守派かと言われればケースバイケースです。内容次第では保守的だし、時には左寄りの時もありますが、世の中が複雑怪奇になって一言で左翼、右翼という括りには収まらないのだと考えています。だから案件ごとに意見しなくてはいけないと思っています。また、私は経営者でもあり「プレーイング『スタッフ』」でもあるので会社の運営から実務までこなしながらビジネス観点からどうとらえるかという視点に立っています。
我々がメディアを通じて目にする報道は政治家や役人、識者らがポジショントークすることもあるし、街角インタビューではインタビュアーが質問に対して本来5つのファクターを示さなくてはいけないのに、そのうちの1つだけを取り出して「これどう思いますか?」とやるわけです。答えはおのずと誘導され、出てくるのですが、それをメディアが「さもありなん」と報じるわけです。この辺りを見るにつけ、その歪みは補正したいと思うし、呟きたくなるわけです。
私はブロガーというより日記を書き続けている、そういうスタンスです。それは90%が自分の為であり、備忘録であり、頭の体操であります。ただ嬉しいことに多くの方がお読みいただいていることに非常に感謝で刺激を頂いています。
またあのアホがなにか呟いていると思っていただいて結構。日本国内からの視点とは違うだろうし、皆様の置かれている立場(仕事をしているのか、リタイアなのか、或いは年齢層を含めて)により考えは違うと思います。そして考えには様々な見地があり、立ち位置がある、その中で海外に32年もいながらカナダ人にもなれず、日本人の洋行で染った変な奴の一つぶやきだと思っていただければ嬉しく思います。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2024年6月16日の記事より転載させていただきました。