日本でも70年代より根強い人気を誇る「がまくんとかえるくん」シリーズの第1作『ふたりは ともだち』が発表されてから早50年。これを記念して、絵本作家アーノルド・ローベルの日本初となる本格的な展覧会が、東京・立川の「PLAY! MUSEUM」で開催されています。併設の「PLAY! PARK」では関連ワークショップも毎日開催。絵本の世界をさまざまな方法で体感できます。

目次
教科書でもおなじみ!「がまくんとかえるくん」シリーズを大解剖
正反対のふたりの物語に引き込まれる!
読み聞かせやショートムービーの上映も
「PLAY! PARK」で「がまくん」関連のワークショップに参加
常設のエリック・カール展も必見! 多彩な関連グッズにも注目

教科書でもおなじみ!「がまくんとかえるくん」シリーズを大解剖

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「がまくんとかえるくん」の展示に入っていくところ。楕円形のユニークな空間を生かした展示に。(写真=るるぶkidsより引用)

アーノルド・ローベルという名前にすぐにピンとこない人も、「がまくんとかえるくん」と聞けば「あ!」と思うはず。第1作『ふたりは ともだち』に収録された5つのお話のうちのひとつである「おてがみ」は、ここ日本で1980年度より小学2年生の国語の教科書に登場。今なお数社の教科書に採用されているので、ご存知の人も多いのではないでしょうか。
 

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『ふたりはともだち』(1970)「すいえい」原画(墨版)Courtesy of the Estate of Arnold Lobel. © 1970 Arnold Lobel. Used by permission of HarperCollins Publishers.(写真=るるぶkidsより引用)

「がまくんとかえるくん」誕生50周年記念 アーノルド・ローベル展は、「がまくんとかえるくん」シリーズをはじめ、『どろんこ こぶた』『ふくろうくん』『おはなし ばんざい』など、54年の短い生涯を閉じるまでの間に100冊もの作品を世に送り出した絵本作家の、日本で初めての本格的な展覧会。会場では「がまくんとかえるくん」を中心とする約30冊の絵本を、貴重な原画やスケッチ約200点とともに紹介しています。

正反対のふたりの物語に引き込まれる!

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段ボールを使った展示台で、一つの作品が出来上がるまでの流れを詳細に解説。 画像提供:PLAY!(写真=るるぶkidsより引用)

展覧会のメインは、『ふたりはともだち』『ふたりはいっしょ』『ふたりは いつも』『ふたりは きょうも』の4冊からなる「がまくんとかえるくん」シリーズの展示。スケッチ約100点のほか、初期段階の構想が書かれたノートや、編集者の書き込みなどが入ったレイアウトなどが初公開されているので必見です。

本人は大真面目なのに、側から見たらおかしな行動に突っ走ってしまいがちな、愛すべきがまくん。自分とは正反対の性格のがまくんを見守る、いい人に見えてちょっとずるいところも持ったかえるくん。2人だけの世界で繰り広げられる世界には、説教くささも、ウケをとろうとするあざとさもありません。変わっていてもいい、一人だっていい。時代を超えて子どもたちに愛されるのは、ローベルが描く物語に嘘がないからなのです。

読み聞かせやショートムービーの上映も

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加藤久仁生「一日一年」2021年 加藤久仁生「一日一年」2021年 Courtesy of the Estate of Arnold Lobel. Frog and Toad Copyright © by Arnold Lobel. © Kunio Kato(写真=るるぶkidsより引用)

展示空間には、モデルでエッセイスト、ラジオパーソナリティも務める華恵による、『ふたりは きょうも』収録の「ひとりきり(原題:Alone)」の英語、日本語両方の朗読が聴けるコーナーも。また、『つみきのいえ』でアカデミー賞短編アニメーション賞を受賞したアニメーション作家、加藤久仁生さんががまくんとかえるくんの日常を描いた新作ショートムービー『一日一年』も上映されています。台詞がなく、手描きのタッチが柔らかな映像と心和む音楽が心地よい、素敵な作品。これを観たローベルの娘エイドリアンと息子アダムも大喜びだったそうです。

「PLAY! PARK」で「がまくん」関連のワークショップに参加

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会場の床にはさまざまな動物の足あとが。いくつ見つけられるかな?(写真=るるぶkidsより引用)
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『ふくろうくん』(1975)表紙下絵Courtesy of the Estate of Arnold Lobel. © 1975 Arnold Lobel. Used by permission of HarperCollins Publishers.(写真=るるぶkidsより引用)
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メガネに口ひげのぶたはローベル自身!『ピゲリックス(日本語版未刊行)』(1983)原画 Collection of The Eric Carle Museum of Picture Book Art, Gift of Adrianne and Adam Lobel, The Estate of Arnold Lobel © 1983 Arnold Lobel.(写真=るるぶkidsより引用)

一方、展覧会の前半では『ふくろうくん』『ローベルおじさんのどうぶつものがたり』『とうさん おはなし して』など、「がまくんとかえるくん」シリーズ以外の名作群の原画やスケッチ約100点を、ローベルの家族写真や動画などとともに紹介。展示空間の床にさまざまな動物の足あとをつけるなど、目線の低い小さな子どもたちが飽きないような工夫がされているのも嬉しいところです。
 

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「PLAY! PARK」では毎日、「なくした ボタン」に因んだワークショップ「がまくんのボタンはどこ?」を開催。(写真=るるぶkidsより引用)

会期中は上階の「PLAY! PARK」にも、がまくんとかえるくんのお話に触れられる遊び場やワークショップが登場します。特に『ふたりはともだち』収録「なくした ボタン」にちなんでボタンを探すワークショップ「がまくんのボタンはどこ?」は毎日開催。3歳以上なら大人まで楽しめるので、ぜひ参加してみては?

※別途「PLAY! PARK」の入場料が必要。ワークショップは無料です。

常設のエリック・カール展も必見! 多彩な関連グッズにも注目

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同時開催の「エリック・カール 遊ぶための本」も必見! Eric Carle: A Book to Play is organized by The Eric Carle Museum of Picture Book Art, Amherst, Massachusetts, United States.(写真=るるぶkidsより引用)

会期中「PLAY! MUSEUM」では常設展として「エリック・カール 遊ぶための本」も開催。「はらぺこあおむし」でおなじみのエリック・カールの絵本を「くぐる」「きく」「うごかす」「みつける」など、10の遊び方に分けて紹介した、カラフルで楽しい展示になっています。
 

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L.L.Bean トートバッグ 各 ¥10,000/会場限定(写真=るるぶkidsより引用)
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「かたつむりくんのロールケーキセット」1,380円/展覧会限定(写真=るるぶkidsより引用)

なお、ミュージアムショップ「PLAY! SHOP」では、がまくんとかえるくんのぬいぐるみや、ここでしか買えないL.L.ビーン製のトートバッグなど、キュートなオリジナルグッズが多数販売。人気パティスリー、Asako Iwayanagiとのコラボレーションクッキーも! また、「PLAY! CAFE」には2つの展覧会に関連したオリジナルのフードやドリンク、スイーツが登場しているので、ぜひ立ち寄ってみて。

「がまくんとかえるくん」誕生50周年記念 アーノルド・ローベル展

期間 2021年3月28日(日)
場所 PLAY! MUSEUM(東京都立川市緑町3-1 GREEN SPRINGS W3 PLAY!内)
時間 MUSEUM午前10時~午後6時(~2月5日の平日に限り、MUSEUM・PARK・SHOP・CAFEは営業時間を各1時間短縮して営業)
※MUSEUM:入場は閉場30分前まで ※展示室内に同時に入れる最大人数を設定
/PARK:午前10時~午後6時(入場は午後5時まで/午後12時30分~1時、午後3時~3時半は館内消毒のため一時クローズ)/SHOP:午前10時~午後6時半/CAFE:午前10時~午後7時(L.O 午後6時半)
休み 3月7日(日)
料金 一般1,500円、大学生1,000円、高校生800円、中・小学生500円、未就学児無料
【立川割】一般1,000円、大学生600円、高校生500円、中・小学生300円
【障害者割引】障害者手帳をご提示の方とその介添人1名は半額
※同時開催の「エリック・カール 遊ぶための本」展の料金も含む/おみやげ付き(第一弾:おてがみ、第二弾:クッキー)
URL https://play2020.jp/article/arnoldlobel/

提供元・るるぶkids

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