今年から“新人類”が誕生するという――。2025年以降に生まれた世代、「β(ベータ)世代」がデジタル世界と物理世界をシームレスに融合させた新たな時代の主役になるというのだ。

■今年から誕生する“β世代”は新時代の主役

“世代論”の有効性は専門家の間でも議論がわかれるところではあるのだが、生まれた年に基づいて人々を分類し、各世代の態度や行動を形作る文化的、技術的、社会的影響と価値観を理解しようという試みはこれまでに連綿と続けられてきている。

 人口統計学者のマーク・マクリンドル氏が設立したオーストラリアのコンサルタント会社「マクリンドル(McCrindle)」が先日に同社ウェブサイトで発表した「Welcome Gen Beta」と題されたレポートで、2025年はβ世代(ジェネレーションβ)という新しい世代の始まりの年であることが解説されている。

 β世代とは2025年から2039年の間に生まれた人々と定義され、2035年までに世界人口の16%を占めることが予測されている。β世代は若い世代Y世代(ミレニアル世代)とその上のZ世代の子供で、多くの人が22世紀まで存命する。

 物心ついた時からPCやスマホに囲まれて育った「デジタルネイティブ」の親に育てられる最初の世代がβ世代であり、マクリンドル氏によるとこの世代の子供たちはおそらく「大規模な自動運転交通、ウェアラブル健康技術、没入型仮想環境を日常生活の標準的な側面として」経験する最初の世代になるという。

「AIアルゴリズムは、私たちが今日想像し始めたばかりの方法で、子供たちの学習、買い物、社会的交流をカスタマイズするでしょう」(レポートより)

 β世代の世界は気候変動や世界の人口動態の変化などの差し迫った社会的課題によって形作られ、以前の世代とは著しく異なるものになるという。これらの問題に対する彼らのアプローチは、一般的に多様性や平等などの理想を擁護することで知られるミレニアル世代とZ世代の親の価値観によって形成される可能性が高いということだ。

 β世代の世にデジタルテクノロジーがますます暮らしに浸透することになりそうだが、その一方でデジタルテクノロジーのネガティブな側面を知るZ世代の親たちの多くはβ世代の子供たちを“スマホ漬け”や“デジタル漬け”にしてはならないと考えているという。

「テクノロジーに精通した世代の親として、Z世代はテクノロジーとスクリーンタイムの利点を理解しているが、同時にその欠点も理解しており、テクノロジーと、子どもがテクノロジーにアクセスして関わる年齢(が早まることに)に反対している」(レポートより)

2025年、“新しい人類”の世代が始まる!?「β(ベータ)世代」とは
(画像=イメージ画像 Created with DALL·E,『TOCANA』より 引用)

 マクリンドル氏らはβ世代がハイパーコネクティビティと個人的な表現のバランスを体現すると予測し、グローバルなデジタルコミュニティとリアルな対面の関係を融合させ、“所属”の意味が再定義されることになるという。

 新しい時代の幕開けを象徴するβ世代は、テクノロジーの飛躍的進歩、社会規範の進化、持続可能性とグローバル市民権への関心の高まりによって形作られた世界で成長することになり、このβ世代を理解することが、より良い未来を形作る鍵となるとレポートは結論づけている。

 今年から続々と誕生するβ世代が大人になる時にこの世界はどんな様相を呈しているのだろうか。“滅亡シナリオ”を克服して持続可能な社会を目指す上での課題は山積しているが、人類史レベルの新たな時代の幕開けが早ければ数十年先に待っているとすれば一縷の望みとなるだろう。

文=仲田しんじ

提供元・TOCANA

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