バチカンニュースの記事内容に戻る。シャラア氏は12月31日、キリスト教宗教指導者たちと行った会談で、フランシスコ教皇を「真の平和の男だ。平和と苦しむ人々のための呼び掛けと行動には深く感銘を受けた」と称賛する一方、シリアのキリスト教徒に対して「シリアのキリスト教徒は、私たちの民族の歴史における重要で欠かせられない存在だ。国内で安全に暮らし、信仰の自由を持つことを保証する」と述べている。これは、聖地管理区副総監イブラヒム・ファルタス神父が、バチカン新聞「ロッセルヴァトーレ・ロマーノ」に4日付けの記事で報告したものだ。ファルタス神父とフランシスコ会の使節団のシリア訪問は先月29日、世界教会の司教区で「希望の聖年」が開幕した日に始まった。ヨルダンからレバノンを経てシリアを訪れた。

「このような出来事は、シリアの歴史上、3週間前までは想像もつかなかったことだ」・・ダマスカスの教皇大使であるマリオ・ゼナリ枢機卿は新年インタビューで語っている。シリアでは、キリスト教徒の国外流出は長年続いている。同枢機卿は「これを食い止めたい。私はクリスチャンに対して、今はシリアを離れる時ではなく戻る時だと言ってきた。私たちは新しいシリアの再建において目に見える存在でなければならない」と強調している。ゼナリ枢機卿はまた、女性の権利が新憲法で明確に保証されるべきだと訴えている。

なお、ドイツのアナレーナ・ベアボック外相とフランスのジャン=ノエル・バロー外相が1月3日、西側諸国の政治家として初めてシャラア氏と会談した。外電によると、大統領宮殿で行われた会談でベアボック外相は「全ての人々が憲法制定プロセスや将来のシリア政府に参加しなければならない」と強調し、EUがシリアの未来を平和で自由なものにするために支援する意向を表明している。

編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2025年1月6日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。