どうして三角形でも四角形でもなく、六角形なのでしょう?
その理由は、雪の結晶のもとになる水分子にあります。
水分子(H₂O)は2つの水素(H)と1つの酸素(O)から成りますが、水分子の一つ一つは正四面体の形を取ります。
ところが、正四面体の水分子が相互に集まって氷になるときには、分子配列のルールにのっとって「六角形」がベースとなるのです。
つまり、六角形が水分子の集合にとって最も安定した形になります。
そしてこの六角形をベースとしながら、まわりに水蒸気がくっついて色々な形に成長していくため、雪の結晶はすべて六角形となるのです。
ただ六角形をベースにするとはいえ、雪の結晶にはたくさんの種類があります。
例えば、六角柱や扇状、針状、樹枝状、砲弾状、矛先状など実にバリエーション豊かです。
結晶の種類の一部をまとめたものがこちら。
実物の拡大写真の一覧はこちらのページからご覧いただけます。
では、こうした雪の結晶の形は何によって決まるのでしょうか?
結晶の形は「温度と湿度」で決まる?
これまでの研究で、雪の結晶の形には、それらが作られるときの「温度」と「湿度」が大きく関係していることが分かっています。
特に温度は結晶の基本形(平面型:Platesか柱状型:Columnsか)に影響し、湿度は結晶の形や模様の複雑さに影響します。
下の図を見てみましょう。縦軸は湿度、横軸は温度を示します。
これを見ると、0℃から−5℃くらいまでなら平面型で、−5℃から−10℃までなら柱状型、そこから−20℃くらいまでは再び平面型となり、また湿度が低いほど形や模様はシンプルで、湿度が高いほど複雑になることが分かります。