どうして三角形でも四角形でもなく、六角形なのでしょう?

その理由は、雪の結晶のもとになる水分子にあります。

水分子(H₂O)は2つの水素(H)と1つの酸素(O)から成りますが、水分子の一つ一つは正四面体の形を取ります。

ところが、正四面体の水分子が相互に集まって氷になるときには、分子配列のルールにのっとって「六角形」がベースとなるのです。

水分子が合体するときは「六角形」が基本となる
水分子が合体するときは「六角形」が基本となる / Credit: SnowCrystals.com

つまり、六角形が水分子の集合にとって最も安定した形になります。

そしてこの六角形をベースとしながら、まわりに水蒸気がくっついて色々な形に成長していくため、雪の結晶はすべて六角形となるのです。

雪の結晶は六角形をベースとしながら成長する
雪の結晶は六角形をベースとしながら成長する / Credit: SnowCrystals.com

ただ六角形をベースにするとはいえ、雪の結晶にはたくさんの種類があります。

例えば、六角柱や扇状、針状、樹枝状、砲弾状、矛先状など実にバリエーション豊かです。

結晶の種類の一部をまとめたものがこちら。

雪の結晶の種類のバリエーション
雪の結晶の種類のバリエーション / Credit: SnowCrystals.com

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では、こうした雪の結晶の形は何によって決まるのでしょうか?

結晶の形は「温度と湿度」で決まる?

これまでの研究で、雪の結晶の形には、それらが作られるときの「温度」と「湿度」が大きく関係していることが分かっています。

特に温度は結晶の基本形(平面型:Platesか柱状型:Columnsか)に影響し、湿度は結晶の形や模様の複雑さに影響します。

下の図を見てみましょう。縦軸は湿度、横軸は温度を示します。

湿度(縦軸)と温度(横軸)ごとにできる結晶の形
湿度(縦軸)と温度(横軸)ごとにできる結晶の形 / Credit: SnowCrystals.com

これを見ると、0℃から−5℃くらいまでなら平面型で、−5℃から−10℃までなら柱状型、そこから−20℃くらいまでは再び平面型となり、また湿度が低いほど形や模様はシンプルで、湿度が高いほど複雑になることが分かります。