ナイキ、業績が不調
米ナイキは今、経営的に厳しい状況に追い込まれている。もともと同社は世界のスポーツシューズ市場では後発組であり、ドイツのアディダスやプーマに後塵を拝していたが、北米プロバスケットボール(NBA)選手だったマイケル・ジョーダンとの契約を機に1984年にド「エア・ジョーダン」を発売。これが世界的ヒット商品となりナイキは一躍、スポーツシューズ市場トップの座に躍り出た。さらに87年に発表した「エアマックス」も商業的に大きな成功をおさめ、日本でもランナー以外の人々の間でもファッションアイテムとして崇められ一大ブームとなった。
だが、ここ数年は成長が鈍化。24年6~8月期決算の売上高は115億ドルで前年同期比で約10%減、純利益は10.5億ドルで同28%減。時価総額は3年前と比較して約半分の水準となっており、業績不振を受けて昨年10月には前CEOのジョン・ドナホ氏が退任し、後任にエリオット・ヒル氏が就任した。
「ナイキはコロナ前から自社で運営する直販店やECサイト上での売上比率を上げることに力を入れる一方、過度な値下げ販売を回避するために商品を扱う他社の小売店やECサイトの選別を強めていました。これによってナイキのコアなファン以外の消費者がナイキの商品に触れる機会が減ったことで販売数量が減った可能性が考えられます。また、現在はマス向けの商品の拡販に力を入れる一方で、高価格で利幅が大きいと思われる『エアジョーダン』などのブランド性の高い商品の取り扱いを減らしているといわれており、それも減収減益につながっているかもしれません」(シューズ販売チェーン関係者)
(文=Business Journal編集部、協力=小林信也/作家・スポーツライター)
提供元・Business Journal
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