アイブロックス・スタジアム 写真:Getty Images

 スコティッシュ・プレミアシップの伝統の一戦であるオールドファームは、グラスゴーに本拠地に置くレンジャーズとセルティックのダービーマッチで、スコットランド国内のみならず欧州でも注目されている。そのオールドファームが、1月3日にレンジャーズのホームであるアイブロックス・スタジアムで行われ、レンジャーズが3-0で勝利した。

 この試合で、セルティックの日本代表3選手FW古橋亨梧、FW前田大然、MF旗手怜央も先発する中、観客席から投げ込まれたコインがセルティックのMFアルネ・エンゲルスの顔を直撃するという衝撃的な事件が起こった。

 試合終盤、途中出場していたエンゲルスがコーナーキックを蹴るためにコーナーフラッグ方向に向かった際、顔に何かが直撃し倒れ込み試合が中断された。複数の報道によるとコインが当たった場所が後数センチずれていたら、エンゲルスは失明していた可能性が高かったと指摘されている。

 主審はエンゲルスの状態を確認し、試合続行が可能であると判断した。その後、ルールに沿って、主審はその投げ込まれたコインを第4審判に渡し、スタジアムに駐在する警官に証拠品として渡されたとのことだ。この事件は現在、当局とSPFL(スコットランド・プロフェッショナル・フットボールリーグ)によって調査が進められている。

 試合は、フィリップ・クレマン監督率いるレンジャーズが、リーグ首位のセルティックを相手に3-0と、近年の両チームの実力差から考えると意外な快勝を収めた。セルティックとの差を11ポイントに縮めたが、喜ばしい結果に影を落とす後味の悪い試合となってしまった。

 また、この事件を受け、レンジャーズもSPFLからの厳しい処分に直面することが予想されている。