マックス・フェルスタッペンの4連覇で終わった2024シーズンだったが、コンストラクターズでは、マクラーレンが26年ぶりのチャンピオンに輝いた。レッドブル1強の時代が変わるのか楽しみだが、ここでは1958年以降60年以上のコンストラクターズタイトルの歴史のなかでチャンピオン回数上位はどのチームか、ランキングで振り返ってみたい。

レッドブル入りならずも 進化遂げた角田裕毅の2024 

 まずは、10位-4位まで。

【10位―4位】

10位T:ブラウンGP 1回 2009  ほか
  (イギリス/初参戦 2009年/主なエンジン メルセデス)

7位T:ルノー 2回 2005-2006
  (フランス/初参戦 1977年/主なエンジン ルノー)

7位T:ブラバム 2回 1966-1967
  (イギリス/初参戦 1962年/主なエンジン レプコ)

7位T: クーパー 2回 1959-1960
  (イギリス/初参戦 1950年/主なエンジン クライマックス)

6位: レッドブル 6回 2010-2013、2022-2023
  (オーストリア/初参戦 2005年/主なエンジン ルノー、RBPT、ホンダ)

5位: ロータス 7回 1963、1965、1968、1970、1972-1973、1978
  (イギリス/初参戦 1958年/主なエンジン フォード、クライマックス)

4位: メルセデス 8回 2014-2021
  (ドイツ/初参戦 1954年/主なエンジン メルセデス)


 続いて、上位3人を3位からお届け。


2位T:ウィリアムズ 9回 1980-81、1986-87、1992-1994、1996-1997
  (イギリス/初参戦 1975年/主なエンジン ルノー、フォード、ホンダ)
 1975年から参戦開始したウィリアムズは、参戦6年目の1980年に、フォード・エンジンと共に早くも初めてのタイトル、そして翌1981年は連覇を達成する。フォードからホンダにスイッチすると、1986年・1987年にナイジェル・マンセル、ネルソン・ピケの豪華コンビで連覇。さらにルノー・エンジンを搭載して4年目の1992年には、ナイジェル・マンセルが年間9勝を挙げ、チームもチャンピオンに輝く。ホンダを失い陰りの見えたマクラーレン&アイルトン・セナに代わって台頭してきたウィリアムズは、1993年にアラン・プロストと共に連覇達成、1994年にはアイルトン・セナを迎えるも、F1史に残る大事件(セナの死)によってタイトルも危ぶまれる。それでも2年目のデイモン・ヒルが健闘し3連覇を達成。そのヒルがドライバーズチャンピオンに輝いた1996年、所属2年目のインディ王者ジャック・ビルヌーブが1997年を連覇した後は、長らくタイトルから遠ざかってしまっているのは残念だ。


2位T:マクラーレン 9回 1974、1984-1985、1988-1991、1998、2024
  (イギリス/初参戦 1966年/主なエンジン ホンダ、ポルシェ、メルセデス)
 イギリスの名門マクラーレンが最初にチャンピオンに輝いたのは1974年。所属7年目のデニス・ハルムに加えて、ロータスからエマーソン・フィッティパルディが加入、ともにチャンピオン経験者のコンビとなったこの年は、開幕からフェラーリとのし烈な争いを演じ、12戦終了時点で2点差をつけられるも、残り3戦で逆転し、みごと初タイトルを勝ち取った。次のチャンスは1984年。チャンピオン経験者のニキ・ラウダに加え、ルノーから若手筆頭株のアラン・プロストを迎え、昨シーズンから搭載した強力なポルシェ・エンジンとともに、シーズン12勝を挙げチャンピオンに輝いた。撤退したポルシェに代わり、1988年からホンダ・エンジンを搭載すると、アラン・プロスト、アイルトン・セナのコンビで16戦中15勝と完璧なシーズンを送った。その後のセナプロの確執は残念な限りだが、プロストに代わり加入したゲルハルト・ベルガーも活躍し、1991年まで4連覇を達成する。ホンダ撤退以降は苦戦が続いたが、ミカ・ハッキネン、デビッド・クルサードのコンビで臨んだ1998年にタイトル獲得。その後はフェラーリ、レッドブル、メルセデスが長期政権を築きマクラーレンは後塵を拝してきたが、2024年、ランド・ノリス、オスカー・ピアストリの若い2人がシーズンを通して活躍し、チームに26年ぶりのタイトルをもたらしたのは記憶に新しい。


1位:フェラーリ 16回 1961、64、75-77、79、82-83、99-2004、07-08
  (イタリア/初参戦 1950年/主なエンジン フェラーリ)
 F1選手権が開催された1950年から参戦している唯一のチーム。F1の象徴でもあるフェラーリはこれまで16度の王座に輝いている。最初の王座は1961年で出走7戦(第8戦は欠場)のうち5勝を挙げ、ドライバーのフィル・ヒルもチャンピオンに輝いている。1974年にニキ・ラウダが加入すると、2年目となる1975年から3連覇を達成。1983年にルネ・アルヌー、パトリック・タンベイを擁してチャンピオンを獲得した後、長らくタイトルから遠ざかる。光が見えたのはミハエル・シューマッハー、ロス・ブラウン、ロリー・バーンらが加入した90年代後半。1999年の第8戦イギリスGPでシューマッハーがクラッシュし、その後欠場すると、残されたエディ・アーバインが後を継ぎ奮闘、みごと16年ぶりのチャンピオンに輝いた。翌2000年からはシューマッハー無双がさく裂、2004年まで6連覇を達成する。特に2002年には17戦中15勝(シューマッハー11勝・ルーベンス・バリチェロ4勝)、さらに2004年にも同じく15勝(シューマッハー13勝・バリチェロ2勝)と他を寄せ付けない圧勝ぶりだった。最後の栄冠は2008年(フェリペ・マッサ、キミ・ライコネン)で、チャンピオンから遠ざかっている期間も過去最長となった。2025年からはルイス・ハミルトンが加入する。偉大なチャンプを迎え古豪の復活なるか、楽しみだ。