海賊の要求となれば、お金やお酒のイメージがありますが、黒ひげが要求したのは意外にも「医療品」だったのです。
海賊がかかりやすい病気といえばONE PIECEでも扱われた「壊血病」が有名です。
壊血病はビタミンC不足による疾患で、症状には歯肉や皮膚からの出血、関節痛などがあり、重症の場合は死に至る恐ろしい病気です。特に長期の航海で新鮮な果物や野菜を摂取できないときに発症リスクが高まります。
レモンやライムなどの柑橘類を食べるという簡単な治療法が見つかるまで、壊血病は海賊たちを震え上がらせていた病気でした。
壊血病以外にも栄養状態の悪さから、さまざまな健康上の問題を引き起こしていたと考えられます。
また、汚染された飲料水や不衛生な環境から、赤痢にかかったり、熱帯や亜熱帯地域を度々訪れていた海賊たちは、蚊を介して感染するマラリアや黄熱病にかかることもあったようです。
そして、海賊たちは港町で夜の楽しみに耽ることが多く、その結果、海賊たちの間では性感染症、特に梅毒が一般的になっていたと考えられています。
黒ひげにとってこれらの病気を治療する医療品や医療器具は、お金やお酒などよりも重要なものだったのかもしれません。
しかし、医療が進んでいなかった当時の医療器具の中には、恐ろしいものもありました。
「根拠のある科学的医療」はいつ登場したのか?
ゾッとする医療器具の数々
黒ひげが乗っていた海賊船「アン女王の復讐号」は、1996年にノースカロライナ沖でトレジャーハンターによって発見され、今も考古学者たちが研究を続けています。
回収された数多くの遺物の中には、船医が負傷した海賊や病気の海賊たちに使用した、少しゾッとするような医療器具が含まれていました。
いくつかの医療器具を紹介したいと思います。