お盆休み、田舎の実家に帰省して母の部屋に大きな変化が
お盆休みと言えば社会人にとっては夏の大型連休。
私は田舎にいる友達に会いに行ける数少ないチャンスなので、心が躍るようにキャリーバッグに荷物を詰めました。
ちょっと大袈裟すぎるキャリーバッグの正体は、私が住んでいる地域のお土産がたくさん入っているからです。
私も母に似たのか、このような時にささやかな幸せを覚えます。
そして、新幹線で田舎に到着しました。長旅と大荷物による移動疲れで「とりあえず、早く実家に着いて一息つきたい。」と、キャリーバッグに見合わない道を歩いていきます。
待ち合わせ地点で父がこちらに向かって手を振っています。私は手を振り返し、急ぎ足で合流しました。
私「あれ?お母さんはいないんだ?」
父「なんか最近、様子がおかしくてな……。部屋にこもって出てこない時があるんだ。」
私「なにそれ??」
最近のLINEを思い浮かべて、私は「思い当たる節がある。」と、父に母の差し入れの件をかいつまんで説明しました。眉間にしわが寄る父。「聞いてないぞ。」と、少し怒っているようにも見えます。私「とりあえず、お母さんが騙されているんじゃないかと思うから、実家に向かおう。」
――その推測は、やはり現実に起こっていました。
実家の玄関には、紫の丸い鏡が。
私「これ、いつからあるの?」
父「さあ。気付いたらあったぞ。……まさか?!」
私「その、まさかだよ。」
母は部屋に居るらしく、ノックします。私「帰ってきたよー。開けてよ。」部屋の扉が開いた瞬間。母「あら!身体の穢れが取れてきたわねぇ。ちゃんと食べてくれているのね!」母越しから見える部屋の風景は異様なものでした。絵画なんか飾る性格でもない母だったのに、部屋の中には青い鳥のタペストリーから水晶のような球体などなど。
私が思っていたより、大変なことが起こっているのではないでしょうか。