トルコの軍事支援を受けており、目的はアサド政権の打倒と共に、トルコ政府の政策に基づき、クルド勢力(特にSDFの主要構成勢力であるYPG)との戦闘だ。活動地域はシリア北部(トルコ国境沿い)だ。
いずれにしても、3勢力はアサド政権打倒で一致してきたが、それ以外では対立してきた。利害も目的も異なる反体制武装勢力の非武装化は難題だ。暫定政権に主導的な役割を果たしているHTSは米国と欧州連合(EU)、トルコからテロ組織に指定されている。
例えば、アサド政権崩壊後もクルド系武装勢力とトルコ軍の武力衝突が報じられている。SDF内では、クルド人主体のYPG部隊が主導権を握っており、トルコ軍とその同盟勢力と対峙し、戦闘を繰り返している。トルコ軍とその支持勢力は、北シリアの他の一部地域を占拠している。トルコのフィダン外相は22日、「シリアにYPGの居場所はない」と述べているほどだ。
それに対し、米国は、イスラム国(IS)との戦いにおいてYPG部隊と同盟を締結している。ちなみに、トルコ、イラク、シリアに分散する多くのクルド人は、長年にわたり自治や独立国家の設立を目指してきた。外電によると、SDFはトルコが支援するSNAに反攻を行い、トルコ国境沿いの北シリアの地域を奪還しようとしている。一方、SNAは、シリアのマンビジ市を占領している、といった具合いだ。
なお、シリア西部ハマー県の都市でクリスマスツリーが焼かれる事件が発生し、波紋を呼んでいる。目撃者によると、23日の夜、ダマスカスや他の都市で数百人がこの行為に抗議するデモを行っている。シリア人権監視団によると、デモ参加者はシリアの国家統一を訴え、シリアの少数宗派キリスト教徒の保護を求めている。ジャウラニ氏はアサド失脚後、分裂した国の再統合を呼び掛け、「全ての民族、宗派は等しく公平に扱われるべきだ」と表明してきた。
シリアの暫定政権にとって懸念事項は、アサド政権を支援してきたロシアとイランの出方だろう。シリアからの報道によると、シリアの新外相アサード・ハッサン・アル=シバーニ氏は24日、イランに対しシリアの内政に干渉しないように警告している。