短波放送で流れる謎の音源“スターリングラードの時計”とは――。ノイズ音に混ざって1秒ずつ時を刻む音が響く“スターリングラードの時計”は世界の終わりへのカウントダウンなのか。

■謎の短波放送“スターリングラードの時計”とは?

 Xユーザーの「Shortwave Observer」は短波放送の6911kHzで受信した奇妙な音源を共有している。
 この6911kHzでは空襲警報のサイレン音に似た音や「ソ連国歌」、そして“スターリングラードの時計(Stalingrad Clock)”と名づけられた時を刻む音が放送されているのだ。「ソ連国歌」については7032kHz、8514kHz、9310kHzでも同時に放送されているという。

 この共有を受けてほかの短波リスナーも受信した同様の音源をXやYouTubeなどに投稿している。オランダのアマチュア無線家によれば、この放送は24時間365日行われているという。
 ある専門家は単純に誰かがこの周波数を確保するために絶えずノイズ音を流しており、必要な時には内容のある放送をすると指摘しているが、ロシアの諜報機関によって送信されていると示唆する声もあり、さまざまな憶測を招いている。
 一説によれば“スターリングラードの時計”は世界の終末へのカウントダウンであり、この放送が止んだ時、ロシアの自動報復核攻撃システムが作動し、世界を終末へと導くのだという。
 あるいはロシア政府がエイリアンと交信するために使っている周波数なのだという説もあるようだ。
 この謎の短波放送で連想されてくるのは、ロシアにある施設から放送され続けている謎のブザー音「UVB-76」である。
 ソ連時代の1982年から延々と40年以上にわたって流れ続けているこの「UVB-76」は、4625kHzで世界中で受信することができる。
「UVB-76」は世界中に潜伏しているロシアのスパイにメッセージを送信している可能性が指摘されており、実際に数カ月ごとに暗号化されたメッセージと思われる音声によってブザー音が中断されることがあるが、ブザー音についてもそのメッセージについても何もわかっていない。
 ちなみに「UVB-76」はサンクトペテルブルクから約30マイル離れたレニングラード州地区にあるロシア軍施設と、モスクワから70km南西に位置するナロ=フォミンスクの姿勢から放送されているといわれている。
“スターリングラードの時計”もまたロシア軍に関係した放送なのだろうか。そしてもしウクライナでの戦況に影響を及ぼすものであるとすればますます予断を許さない。

文=仲田しんじ

提供元・TOCANA

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