ランボルギーニは2023年8月18日、モントレーカーウィーク2023で、新たにEVスーパーカーの「ウルトラGT」と呼ぶコンセプトモデル「Lanzador(ランザドール)」を発表した。
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ランボルギーニのステファン・ヴィンケルマンCEO
「モントレー・カー・ウィークでEVのコンセプトカー、ランザドールを発表することは、当社の歴史における重要なマイルストーンであり、脱炭素化と電動化への道を示すモデルです。顧客の皆様から、将来の純電動ランボルギーニのビジョンに対する好意的な反応に触れることができ、大変嬉しく思っています」と語った。
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コンセプトカーのランザドールは、ランボルギーニ・ブランドの新たな「ウルトラGT」セグメントを切り開くモデルという位置づけで、宇宙船からインスピレーションを得たというエクステリアは、これまでのムルシエラゴやカウンタックLPI800-4など歴代ランボルギーニのデザインDNAを受け継ぐスーパースポーツカーらしいフォルムだ。
従来の常識を破る高めの最低地上高としたユニークなデザインになっている。
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シートは2+2とし、前例のないキャビンの中でのインフォテイメントやソフトウエアを体験できるまったく新しいコンセプトで作られており、パフォーマンスと、至高のドライビングプレジャー、そして日常のドライブでの多用途性を兼ね備えているのだ。
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ランザドールは、前後アクスルに高出力の電気モーターを搭載し、1360psを超えるピークパワーを発揮するフル電動4WDシステムを採用している。リヤ・アクスルにはアクティブeトルク・ベクタリングを備え、ダイナミックなコーナリング特性を実現している。
また前後可変の駆動トルク配分を行ない、ミリ秒単位で個別に演算は行なわれ、リヤの左右輪に最適なトルクを配分することができるのだ。
しかし、この高性能スーパーカーは、ハードウェアのコンポーネントだけでなく、ソフトウェアと制御システムも最先端だ。すべての制御はアクティブ・コントロールシステムとなっているのだ。その結果、統合ドライビング・ダイナミクス制御はまったく新しいレベルに引き上げられ、これまでの市販スポーツカーでは不可能な運動コントロールを実現している。
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新たに開発されたランボルギーニ・ダイナミカ・ビークル・インテグレーター(LDVI)と呼ぶドライビング・ダイナミクス・コントロールシステムは、ハードウェアだけでなく、コンポーネントを管理する制御アルゴリズムも革新されており、システムに供給されるデータはきわめて多いため、運転感覚やフィードバックのニュアンスを伝えるアルゴリズムは一段と高度化されているという。
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新たに開発されたスマート・エアロダイナミクスには、ALA(Aerodinamica Lamborghini Attiva)システムが組み込まれている。ALAは、ウラカン・ペルフォルマンテやアヴェンタドールSVJで採用した技術であり、ランザドールの市街地走行モードでは最高の効率を生み出し、パフォーマンスモードでは最高のダウンフォースを確保するように、フロントとリヤに新しいアクティブ・エアロデバイスが採用されている。
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フロントはエアシャッターと可動式スプリッターを装備し、展開するとブレーキ冷却ダクトと冷却ベーンが開き、ホイールハウスの通気用の隠しルーバーやエアカーテンにより、設定された走行モードに応じてダウンフォースを向上させる。23インチのホイールは六角形のエレメントとエアロブレードを組み合わせ、ホイールでの乱流を最小限に抑えている。
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リヤは、ドライブモードに応じて、幅の狭いエアブレードがサイドとディフューザーから伸び、リヤ・ブローンスポイラーと連動して空力ダウンフォースを向上させる。
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シャシーでは、リヤ操舵システムを組み合わせたアクティブ・サスペンションを採用。
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このようなアクティブコントロールを含む、新しく開発された高度に統合されたドライビングモードにより、ランザドールは従来のエンジン搭載車をはるかに超えるドライビングの楽しさとパフォーマンスを向上させ、安全性を大幅に高めているのだ。
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日常での使用では、フロント・ボンネット内のトランクルーム。キャビン後方のラゲッジスペース、アレンジ可能なリヤシートなどによりさまざまな荷物の積載が可能となるなど利便性も確保されている。
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