人々が多く集まる道の駅「なみえ」に置かれる線量計。この地域が今も原子力災害禍の中にいることを静かに伝えます。
赴かければ知ることができない被災地のリアルないま。それを知るためにわたしは被災地への旅をしていますが、それだけでは自分の知識がアップデートされるだけで終わってしまいます。旅先で知ったことを友人たちに伝えるのはもちろんですが、わたしはこういったブログを書いていますので、被災地のいまをより多くの方に伝えて自然災害対策や復興支援に向けて何かしらの行動の変化につながればその役割は果たせたかなと思っています。
わたしは平成3年、雲仙普賢岳が噴火した年の夏休みに雲仙温泉に旅をしています。雲仙温泉は普賢岳のすぐそこにありますが、実は溶岩の被害が出たのは島原半島東部であり温泉地に被害は殆どありませんでした。ですが夏の観光シーズンにもかかわらず宿泊者は私と素泊まりのライダー1人だけ。温泉旅館の女将さんから涙を流しながら感謝されたことは今も忘れられません。
今年の正月、能登半島を大地震と津波が襲いました。能登地方の被害は甚大でさすがにまだ旅に行ける状況ではありませんが、被害のなかった、または小さかった石川県南部や富山県でも旅行者数が落ち込んでいるようです。正しく恐れ、過度に旅行を控えない。復興支援のためにも旅先として選んで出かけてその地域に貢献をすることも大事だと思います。
3月11日。東日本大震災で被災した方のご冥福をお祈りするとともに、改めて自らの果たすべき役割を感じながら今日を生きていきたいと思います。
編集部より:この記事はトラベルライターのミヤコカエデ氏のnote 2024年3月11日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はミヤコカエデ氏のnoteをご覧ください。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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