カタルーニャ州に住むためにはカタラン語をマスターすることが必須
カタルーニャ州政府には独自の移民受け入れ策がある。それはカタラン語の普及と関連させているものだ。即ち、カタルーニャに移住する外人にはカタラン語をマスターするということを必須にさせようとする意向が同州政府にあるということだ。
カタルーニャには2022年1月時点で127万1810人の外人が住んでいる。それはカタルーニャ州人口の16.3%を占めているという。その内の61万7453人がイスラム人。彼らの内で25万人がスペイン国籍を取得している。国籍を取得しているイスラム人の大半はカタラン語をマスターしている。(1月11日付「OKディアリオ」から引用)。
カタルーニャ州にイスラム人、その大半がモロッコ人が多いというのは次のような理由からである。2003年に当時のマス州知事はモロッコの都市カサブランカを訪問し、そこにカタルーニャ大使館を設置してカタルーニャに移民して働く為にカタラン語の授業並びに行政上の支援を約束したのが起因である。職場を見つけるのが困難なモロッコ人にとってカタラン語をマスターすれがスペインで職場に就けるというのは大変重要な魅力となった。彼らにとってカタルーニャもスペインも区別はつかない。要するに、働く場所があればそれでよいのである。
独立派が政権に就くカタルーニャ州政府にとって狙いは常にカタルーニャの独立だ。その為にはカタラン語を普及させるというのが同州政府にとって最も重要なテーマなのである。
だから、中央政府が不法移民をカタルーニャに送り込もうとしても、同州政府は独自の政治方針がある。それに沿って移民を受け入れる意向にあるということだ。また、それを中央政府に要求できる状況にある。なぜなら冒頭で触れたように、サンチェス首相が政権にしがみ就こうとする限り、カタルーニャの独立派の下院での支持票が必要だからである。
その為に頼りになるのがカタルーニャ独立派政党が下院で持っている議席である。この議席が常にサンチェス首相に味方している限り、彼は政権を維持できるということだ。そうしないと、野党による内閣不審任案が提出されれば政権を放棄せねばならなくなる可能性があるからだ。
このようにしてサンチェス首相を囮にしてカタルーニャ州政府は独自の移民対策を実行しているということだ。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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