ドイツのケルンとウィーンの警察当局は23日夜、「危険な状況が差し迫っている」として警備措置を強化すると発表した。ドイツ通信(DPA)からの情報によると、ケルン警察はケルン大聖堂に対するイスラム主義者グループによる襲撃計画の可能性に関する情報を入手した。また、オーストリアのウィーン市のローマ・カトリック教会のシンボル、シュテファン大聖堂でもテロ襲撃が計画されていると報じられた。

オーストリアのローマ・カトリック教会のシンボル、シュテファン大聖堂(2022年4月、撮影)
幸い、クリスマスミサは25日、無事挙行された。それに先立ち、ウィーン検察庁は24日、ウィーン市16区のオッタクリングの難民宿泊施設でもテロ容疑者3人が特別テロ対策部隊によって逮捕され、拘留されたことを確認した。ドイツ公共放送ARDによると、ザールラント州(独中西部の州)でも24日、テロ容疑者が逮捕された。
このニュースを聞いた時、驚いた。当方はオッタクリングに住んでいる。イスラム過激派テロ容疑者の拠点が少し離れているだけで、同じ区にあったからだ。そんなわけでイスラム過激派テロ問題をこれまで以上に身近に感じた(オッタクリングは23区から成るウィーン市では16区で「労働者の区」といわれてきた。トルコ系、セルビア系、クロアチア系の住民が多く住んでいる)。
23日に拘束されたイスラム過激派テロ容疑者はイスラム過激テロ組織「イスラム国」(IS)のホラサン州(ISKP)のテロネットワークに関係しているという。警察側によると、彼らはウィーンでテロを計画し、標的はシュテファン大聖堂だったという。テロ容疑者3名(男性2名、女性1名)は容疑を否認している。このグループはウィーンだけでなく、ケルンやマドリッドでのテロも計画していたという。ただし、容疑者の家宅捜査が実施されたが、「具体的な攻撃計画の兆候はなかった」という。