となると最後、注目は来週に金融政策決定会合を控える日銀です。専門家の下馬評は「何ら政策変更はない」となっています。私はYCCの撤廃を見込んでいます。日銀としては金融政策を正常化させることが使命なのです。そして黒田氏の置き土産はテクニック論に走りすぎ、こびりついたような特異な状況にあるものを元に戻さざるを得ないという大局観があるはずです。特に今般の自民党の騒ぎの中で、元気が出たのは東京地検特捜部とされますが、もう1つは日銀だという点が今後見えてくるだろうとみています。
その点では日本は正常化までは「上がるバイアス」になると思います。一部の方からは「今は適温、なぜ、金利を上げなくてはいけないのだ」という意見があると思います。金利がある世界は当たり前なのにそれをすっかり忘れてしまったのが日本です。もしもこの先、リーマンショック級のトラブルが起きた時、日銀の金融政策が正常化していなければよりテクニカルでより複雑な対処にならざるを得ません。一方、黒田氏を除き、金融政策はシンプルでわかりやすいことが重要というのが世界スタンダードなのです。黒田マジックはややもすれば趣味の世界だったと思っています。
アメリカの利下げが視野に入るのでドルは相対的に弱くなり、円は正常水準である120-130円程度まで動くのでしょう。日本の株価への影響を気にする人も多いと思いますが、下駄を履かせてもらって「株高バンザイ」もないでしょう。そんなハンディを頂くのではなく、正々堂々と真っ向勝負するのが正論ではないでしょうか?
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2023年12月14日の記事より転載させていただきました。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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