総務省の統計によれば、日本国内では少子高齢化によって生産年齢人口(15~64歳)が1995年をピークに減少しています。このままいくと2050年には5,275万人(2021年比で29.2%減)になると予想されています(図表も同省ウェブから)。
既に人手不足の影響は企業経営に影響を与えるようになっています。労働力が思うように確保できなくなるのは企業にとっては痛手ですが、雇用される側からすれば悪い話ではありません。
需要よりも供給量が減るということは、需給関係から賃金に上昇バイアスがかかることになります。優秀な人材を確保するために新入社員の初任給をアップさせたり、能力の高い社員に高い給与を支給するといった動きが出てきています。
パートやアルバイトの時給も上昇傾向にあり、働く側にとっては有利な条件で仕事を選べるようになります。
そしてもう1つの大きな変化は、企業が顧客第一主義の見直しを始めたことです。
日本では「お客様は神様」という言葉もあるように、顧客のニーズにとことん対応することこそ商売の基本といった風潮がありました。リッツカールトンに代表されるような「Noと言わない営業」が尊ばれていたのです。
しかし、クライアントからの過剰な要求や高圧的な態度といったいわゆる「カスハラ(=カスタマーハラスメント)」が横行するようになり、すべてに対応することは、従業員に高いストレスを与え退職に至るといった問題が発生していいます。
また、一部の特殊なクライアントに対応することで、他のサービスへの対応が不十分になるといったデメリットも出てきています。