仕事を早く終わらせるためにとにかく早く着手する。このことを心がけている人は多いだろう。しかし実は、着手前に仕事の目的をあらためて考えると、作業量を大胆に減らすことができる。
そう語るのは現役会社員・時短コンサルタントの滝川徹氏。今回は、滝川氏の著書『細分化して片付ける30分仕事術(パンローリング) 』より、仕事を最速で終わらせる思考法について、再構成してお届けします。
常に仕事の目的を考える多くの人が、目の前に仕事があるととにかく早く手をつけようとする。しかし能率的に働きたいなら、仕事にとりかかる前に「どうすればこの仕事を最速で終わらせることができるか」を考える習慣をもつことが大切だ。そのために必要なのは常に「仕事の目的」を考えることだ。
たとえば部署内で勉強会を開催することになったとする。ではそもそも、勉強会を開催する目的は何か。その会で取り上げる内容を参加者にきちんと理解してもらうことだ。その目的さえ達成できれば、本来どんな方法の勉強会であっても形式は自由と言える。
にもかかわらず勉強会と聞くと、パワーポイントなどのツールを使った資料作りと脳内変換してしまうビジネスパーソンがあまりにも多いのだ。勉強会とは「そういうものだ」と思いこんでしまっているのだろう。そうして大量の時間を見栄えの良いスライド作りに費やしてしまう。
目的を見失ってはいけない。ゴールは勉強会が終わった時点で、参加者が正しい情報をきちんと理解していることだ。けっしてきれいな資料を持って会議室を出ていくことではない。
かけるべき労力は「どうやったらこの内容を参加者全員に理解してもらえるか」だ。そしてどうすればそれを最速で達成できるかをあわせて考える。勉強会の構成を考えて、資料をきれいに仕上げて、では時間がいくらあっても足りない。
たとえば私ならワードなどでポイントを箇条書きにした資料を作る。資料の見た目にこだわる代わりに勉強会の構成(話す内容やそれらを伝える順番)を工夫する。そのほうが見栄えの良い資料を配布するより、よっぽど参加者に内容が伝わったりする。こうした例はほかにもたくさんある。