先日、アメリカのZ世代のある告白が世界的に話題となりました。

要旨:「9時から5時まで働いたらプライベートでは何もできない。こんな働き方は間違ってる」

「それくらいで音を上げるな」という批判から「いや、実は自分もそう思っていた」という共感の声まで、幅広いリアクションが世界的にわき起こっています(日本人からすると9時5時ってむしろ恵まれてるなあと思う人も多そうですけど)。

彼女の告白はスマホでショート動画見て育ったZ世代特有の単なる甘えなんでしょうか。そもそも、人は何時間働くのが正解なんでしょうか。

いい機会なのでまとめておきましょう。

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「フルタイムで働くのはしんどい」と感じるのはキャリアの一丁目一番地

結論から言うと、新人が社会に出てフルタイムで毎日働くのがしんどいというのは、筆者は人として当然の感想だと思います。

筆者自身もそう感じていたし、知る限りの人間はみんなそういう意見でした。逆に「フルタイム最高!」って目輝かせてる奴がいたらそっちの方が怖いですね。

「え?これ一生続けなきゃなんないの?」という疑問は誰もが一度は抱いたものだったからこそ、世界的にバズったんでしょう。

では、みんなどうやってその疑問を乗り越えているのか。

一番多いのは「そんな疑問はきれいさっぱり忘れる」人でしょう。そういうもんだと自分に言い聞かせつつ、与えられた仕事に一生懸命取り組んでいるうちに、最初に抱いた疑問なんてすっかり頭の中から消えていることでしょう。

あとはそのままバリバリ働き続けるもよし。40代以降は手の抜き方を覚えるのもよし。

でも後述するように、何とか努力して、自分なりに疑問に対する答えを見つけている人たちもいます。

自分なりにやりがいを見つけること。自分の希望する場所で働き、希望するキャリアを身に着けること。もちろん馬車馬のように働く人もいますが、どちらかというとそういう人達は40代以降は柔軟に働けている人が多い印象があります。

若手時代に抱いた疑問に対し、各人なりの答えを出すこと。それも一つのキャリアデザインのように思いますね。

そういう意味では、筆者が冒頭のような疑問を抱く若手にアドバイスするとすればこんな感じになるでしょう。

「その疑問は恐らく正しい。でも正しいからこそ、まずはしっかり働いて会社と交渉できるだけの専門性を身に着け、疑問に対する答えを見つける地力を身に着けて欲しい」

余談ですけど、コロナの時に在宅勤務をした人たちのアンケート調査って色々な会社や組合がやっているんですが、総じて高評価なんですね。

どういうことかというと「通勤しなくても、フルタイムで働かなくてもどうとでもなる」という事実に多くの人が気づいたからでしょう。

若手時代に抱いた疑問を久々に思い出した人も多いんじゃないでしょうか。人生100年時代、今から答えを探しにいっても遅くはないでしょう。