本物と偽物、別にフランスのデザイナーズブランドの話をしようというのではありません。
もしも皆さんがお勤めの会社の社長が「社員の皆様、突然のご報告で申し訳けございませんが、当社は本日、会社更生法を提出しました」と社内メールなり、社内で使う動画なりで発表があったとしたらどうでしょうか?それも週末とか連休の最中だったらどうでしょうか?慌てふためくでしょう。なぜなら普通、信じてしまうからです。
ひと月ほど前、岸田首相の生成AI動画がご丁寧にも日テレのロゴ入りで流され、ちょっとした騒ぎになりました。犯人は愉快犯だろうと察しますが、その程度であればまだ気にならないでしょうが、着実にフェイク度のクオリティは上がっていくはずで一般の方がちょっと見ただけでは判別がつかない事象がどんどん出てくるでしょう。
ドイツでは11月下旬、ショルツ首相のフェイク動画を野党が追い落としのために作成したと話題になっています。他にも「フェイクニュース」の言葉で検索をかけるといろいろ出てきます。今のところ政治家などがその主役ですが、本気で騙そうと思えば上記のように会社組織などごく狭い人たちを対象にすることもいずれ可能になってくるでしょう。なぜ、今、政治家が対象になっているかと言えば過半数の一般庶民はニュースの信ぴょう性を判断することなく、鵜のみするからで、騙しやすいからです。これが自分の会社の社長となれば「なんかおかしいぞ」と気づくチャンスは大きくなるわけでより高度なテクニックを要するわけです。