誰にも間違うことがあるし、様々な間違いがあるものだ。その一つに生年月日の間違いだ。親が子供の出生を遅く役所に届けたために、間違った生年月日となったという話はよく聞くし、英国のシンガーソングライター、ジェイク・バグのように2月28日に生まれた場合、親の多くはうるう年の29日でなくてよかったとホットする。4年に一度しか誕生日が来なければ、子供も寂しいだろう。

 

コンクラーベが開かれたシスティーナ礼拝堂(2013年3月12日、オーストリア国営放送の中継から撮影)

ところで、ここで紹介する話はローマ・カトリック教会のケニア教会のジョン・ニュエ枢機卿の生年月日が間違っていたために、同枢機卿は1年若かったことが分かったという話だ。その結果、80歳未満の枢機卿に与えられているローマ教皇の選出会(コンクラーベ)に2026年初めまで選挙権があることになったのだ。

教皇の選出会に参加できる枢機卿は80歳未満となっている。80歳を超えると投票権を失う。修正前のバチカン人事録によると、ニュエ枢機卿は1944年12月31日となっていたが、ナイロビの元大司教のニュエ枢機卿は実際は、1946年1月1日生まれであることが判明。その結果、同枢機卿は現在79歳ではなく、78歳となる。したがって、同枢機卿は2026年初めまでコンクラーベに参加できる資格があるという話だ。ニュエ枢機卿は2007年から21年までナイロビの大司教であり、2007年以来、枢機卿団の一員だ。

バチカン関連問題に関心がない読者は、「それでどうしたのか」ということになるかもしれないが、フランシスコ教皇が亡くなった場合、コンクラーベが開催され、新しい教皇が選出されるが、その選出会に参加できるのは枢機卿だけだ。それも80歳未満という年齢制限がある。フランシスコ教皇が今年か来年に亡くなった場合、まだ80歳未満のニュエ枢機卿はシスティーナ礼拝堂で行われる新しい教皇の選出に出席できるわけだ。