ここで浜松で創業ながらも東京青山に本社を構えるホンダが銀座のショールームにいまだにGTRを飾る日産と提携にむけた検討を行うと発表したのはナチュラルなのでしょう。正直、日産のプレゼンスはどんどん悪化しており、特に稼ぎどころだった中国がEVに押されたこともあり大打撃になっていますし、新車も目立ったものが出てきていません。というより消費者からみるとどのメーカーのどの車も顔かたちは違うけれど中身の差別化ができなくなってきたのは鮮明な傾向だと思います。とすればフルラインアップの両社とすれば共同作業できるところは進めていく、これは正しい方策だと思います。
では両社は将来結婚するか、ですが、これはわかりません。企業文化的にはいけそうな気がします。また日産は神学部出身の内田誠氏ではカリスマ性が出せないと思います。氏はあくまでも日産のドタバタの清算をして攻めの姿勢に転じるまでが力の発揮できるところでこのあとは技術を語れる社長が就任してもらいたいところです。個人的にはホンダとEVを一緒に作るならプラットフォームの共有化まで踏み込まないとだめだと思います。ここに三菱、更にホンダと組むソニーを加えればトヨタ連合に十分組する戦いになると思います、8つも自動車会社があるより東西決戦のほうが今の日本にはプラスだと思います。
ロシアの選挙とイスラエルへの選挙干渉ロシアでは大統領選が15日から3日間にわたって行われています。出馬したのは4名でプーチン氏以外の3名は「体制内野党」と称され、現ロシア体制を支持するが、自分の声を主張する、そんな候補者ですので誰に投票してもさして変わりありません。全員ウクライナ戦争は支持しています。言い換えればウクライナ戦争に反対する者は立候補権が実質ないのであります。西側諸国からすれば「おかしいだろう」と声を上げると思いますが、ロシアは歴史的に帝政が1721年から始まり1917年のロシア革命を経て共産主義、そして今の体制であって先祖代々ロシア人に自分のチカラで立ち上がる「脚力」がないので国を作ることができない、これが実態なのです。
一方のイスラエルは注目かもしれません。アメリカ民主党の上院トップ、シューマー院内総務がネタニヤフ首相に「早く総選挙をせよ!」と要求しました。これは内政干渉そのものでアメリカ共和党のマコネル院内総務は「そんな発言は民主主義の原則に反する」とお怒りです。もちろん、イスラエル国民が決めることなのですが、世界世論のネタニヤフ首相に対する目線は厳しいものになっています。特に11日からイスラム教のラマダンに入っており、実質的にハマスもガザの市民も動きが取りにくい中で必死の休戦案を展開する仲介国にも疲弊感が漂っています。
国家の指導者が独断で暴走できる仕組みが正しいとは思えません。指導者は往々にしてYESマンを周りに固め、自分に意見する人を排除します。そこで強権となり、かなり無理な判断でも自在に進めることができます。同じことはウクライナでもそうだと思うのです。同国で延期している大統領選挙をやるべきでしょう。少なくとも国民が考え、国民が選択する余地を与えることが大事です。その点ではロシアや中国は国民が社畜ならぬ国畜になっていて国家の潜在的力量を完全に失っています。ネタニヤフ氏は自己防衛のみで首相から降りれば臭い飯が待っている、それをどうにかして引き延ばしているとしか私には見えないです。
後記 当地の大学で学生と共に外交問題に関するセッションに参加しました。私のテーブルは5人の学生や大学関係者と私。パネルディスカッションはアメリカ人教授が2名、カナダ人1名、日本人1名にモデレーターでしたが、アメリカとカナダの先生方の論理的思考と自己主張の強さに学生たちがノートに走らせるペンもさらさら動いたのですが、日本人の教授の時は手が止まったのを私は見逃しませんでした。なぜか、と言えば日本人の先生は何を言いたいのかさっぱりわからなかったし印象にも残らなかったのです。プレゼンのチカラがいかに重要なのか、あらためて感じた次第です。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2024年3月16日の記事より転載させていただきました。
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