当方はこのコラム欄でドイツの政党「ドイツのための選択肢」(AfD)やオーストリアの政党「自由党」(FPO)について書く時、両党を「極右政党」として紹介してきた。それに対し、読者からは、「極右」という表示は正しいか、「右派」と呼ぶべきではないか、といった趣旨の意見をもらってきた。
外国の政党を紹介する時、その政党名だけではその政党が保守派か、中道右派か、それともリベラルか分からない場合がある。最近はどの国でも多数の新政党が登場しているから、政党名だけでは左派か右派か判断できない。そのため、その政党が活躍する現地のメディアの政党への表示を参考にして「右派政党」とか「左派政党」といった呼称を利用する。
例えば、ドイツの大多数のメディアはAfDを過激な民族主義的政党として、極右というレッテルを貼って報じるし、オーストリアのFPOに対しても同様で、イェルク・ハイダー党首時代から「極右政党」、「ネオナチ政党」といったレッテルを貼ってきた。ネオナチ政党という表示は流石に少なくなったが、現地メディアはFPOを極右政党と呼ぶ。
もちろん、党綱領を一読すれば、その政党が右派か左派かは判断できるが、中道右派か中道左派といった詳細な識別をする場合は簡単ではない。政党も外交、安保、経済など分野によってリベラルであったり、保守的な政策を標榜したりするから、政党の表示は難しくなってきたのだ。