この思考の問題は、選択肢や思考力を極端に狭めてしまう点にある。「優秀な人はみんな東京にいるので、地方には上京できなかった行動力のない保守的な人間しかいない」たとえばこのように思考して地方そのものを見下して活躍の場から排除して東京で勝負することだけに固執してしまったりする。しかし、現代のようにリモートワーク環境が整った今、優秀で独力で場所を選ばず付加価値を創出することができる人材になれば、むしろ地方で勝負する方が低コストでQOL高く生活できる選択肢もあり得る。

筆者自身、恥ずかしながら昔は「仕事は都会いったく。地方に魅力的な仕事なんてないのでは?」という思い込みを持っていたが、起業して地方に移住した今は「場所を選ばず働ける時代に必ずしも東京だけが正義ではない。驚くほどとびきり優秀な人は意外なほど地方にいる」という新しい視点や柔軟性を得られたように思う。

思考は生まれつきではなく、後天的に獲得する要素である。性格を後から変えることは難しいが、価値観や思考はいつからでもアップデートできる。自分は30代で起業する前と後とでは「180度違う」と思えるくらい真逆の価値観や思考を持っていた。思考が変われば習慣、そして人生を変えてしまうほどのインパクトがある。せっかくなら悪い思考を捨てていい思考を取り入れたいものだ。本稿を反面教師として何からの気づきの機会にしていただけると幸いである。

 

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