減り続ける恐怖に耐えられない
人は資産がどれだけあっても、ひたすら減り続ける苦痛には耐えられない生き物である。
宝くじ高額当選で大金を手にして仕事をやめてしまえば、息をするだけで口座残高は減り続けていく。これはあたかも密室で酸素残量が減り続けるようなインジケーターのようなものだ。残高が0になれば現状の生活は叶わなくなる。それなのに収入源は一切ない。これは想像するだけで息の詰まりそうな生活である。
よく聞く「莫大な資産運用の運用収益で生活する人は質素な生活をしている」という話もこれと似ている。ビジネスでその気になればいつでも稼げるという人と違って、支出はシンプルに未来の収益を削ることに直結すると理解している上、羽振りよく目立っても何もメリットがないので必然的に質素な生活になると思っている。
宝くじ高額当選しても一生資産が減り続ける苦痛に耐えられるだけの胆力のある人はめったにいない。長生きしてしまうと途中で資金が尽きるリスクが増加する。人生は生きている時間が価値のすべてなのに、長生きするリスクを恐れるという矛盾を抱えることになる。
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宝くじ高額当選になったら選択肢は2つだ。現状の仕事を続けるか、もしくはゆるい働き方で自営業や投資家になるという選択である。小さくリスクを取り、虎の子を減らさない生き方なら息苦しさはないだろう。たとえ1億円という高額当選をしてもインフレや円の減価が続けば、思ったほど使えなくなってしまうリスクはあるのでそうした不確実性を乗り越えるスキルが活きるのではないだろうか。
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