1996年のクリスマスシーズン、米国を震撼させた6歳の美少女殺害事件に、新たな展開の可能性が出てきた。チャイルド・ビューティー・クイーンとして知られたジョンベネ・ラムジーの未解決事件は、28年の時を経て、ついに真相解明への糸口が見えてきた可能性がある。

DNA鑑定と新たな捜査体制

 事件当初、地元警察は外部からの侵入者説を否定し、両親による犯行説に固執していた。警察の仮説では、母親のパトリシアが娘のおねしょに激怒して事故死させた後に殺人に見せかけた可能性や、当時9歳だった兄のバークが何らかのトラブルで妹を殺害したという説を展開していた。

 しかし2008年、現場から発見されたDNA鑑定により「身元不明の男」の存在が浮上し、警察は家族への疑惑を撤回、謝罪を行っている。

 事件の発端は1996年12月26日、母親のパトリシアが身代金要求の手紙を発見したことから始まった。その後、同日中に父親のジョン氏が地下室のボイラー室で娘の遺体を発見。ジョンベネは口をダクトテープで封じられ、手は縛られ、母親パトリシアの画材から取られた筆と紐で作られた絞殺具が首に深く食い込んでいた状態だった。