日本モーターボート競走会の強いリーダーシップ
そのボートレースの売上がここ数年、大きく伸びている。過去の推移をみてみると、バブル景気の1980年代に大きく伸びた売上は91年のピークを境にバブル崩壊とともに右肩下がりとなり、2008年のリーマンショックを経て2010年に底を打ち、その後は徐々に回復。17年頃からその勢いは増し、ついに21年には当時の過去最高を更新するに至った。この推移は他の公営競技も概ね同じであり、たとえばJRAもバブル崩壊後の1993年頃から伸びが頭打ちとなり、その後は低下したものの2011年に底を打ち、現在は3兆円台にまで回復している。そんな公営競技なかでも、過去10年の伸び率でみると、ボートレースの勢いが強い。
その要因は何なのか。北海学園大学 経済学部教授の古林英一氏はいう。
「明確な理由はわからないというのが正直なところですが、バブル崩壊後に他の公営競技の開催場と開催日数が減ったなか、ボートレースは減らさずにインフラも残していたところに景気回復が到来したという点があげられます。また、たとえば競輪は施行団体が40以上あり、数が多いと運営において協調を取るのがなかなか難しくなる一方、ボートレースには日本モーターボート競走会が強いリーダーシップを発揮し業界全体が組織的な動きを取れている点も大きいと考えられます。
このほか、吉本興業のタレントとうまくタイアップしたり、話題性のあるCMを展開したりと、宣伝・広告戦略が非常に巧みな点や、1レースで走るボートが6艇のみで一号艇の勝率が約5割なため、券を買って楽しむには非常に分かりやすいという点も参加人数の底上げにつながっているかもしれません」
(文=Business Journal編集部、協力=古林英一/北海学園大学経済学部教授)
提供元・Business Journal
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