国立競技場 写真:Getty Images

 第103回全国高校サッカー選手権大会が12月28日から行われ、帝京高校と京都橘高校が国立競技場で開幕戦を戦う。この時期になると、注目選手の進路に関する情報が気になるところだろう。そんな中で近年注目されているのが大学サッカーだ。高校選手権や高校総体(インターハイ)で活躍した有力選手の強豪大学への進路決定には、様々な裏事情が隠されている。

 実力のある選手の多くはインターハイで大学のスカウトから声がかかり、練習参加や面談を経て、進学が内定するケースが多い。もちろんその中には、Jリーグクラブへ練習参加した経験のある選手も含まれている。関係者によると、特待生としてサッカー推薦で進路が内定した選手であっても、様々な事情で土壇場で進路を他大学に変更することがほぼ毎年のように行われているとのこと。

 数年前に高校選手権で活躍し、強豪校で10番を背負った選手が選手権大会後の入学直前のタイミングで進路先を他大学に変更したケースもあるという。さすがにこのパターンは稀のようだが、ギリギリのタイミングでの内定辞退や進路変更はそこまで珍しくはないようだ。

 このようなドタキャンが起きた際は、高校サッカー部側のスタッフが大学側に謝罪し、なんとか理解してもらうケースが多いというが、両校の関係性に亀裂が入りかねない問題となるだろう。また、特待生として学費免除で大学へ進んだ場合、サッカー部を退部することが学校自体を退学することに繋がるパターンも多いため、あえて指定校推薦などの入試方法で進学することもある。

 なお、強豪大学の中でもスカウティングで声のかかった選手やセレクションに合格した選手のみ入部を許可している学校もあれば、一般入試で入学した学生でも入部可能な学校もあり、様々だ。

 近年、大学サッカーは多くのJリーガーや日本代表選手を輩出し、以前よりも注目度は増している。プレミアリーグ1部のブライトン・アンド・ホーブ・アルビオンでプレーするMF三笘薫もその一人である。