慢心を防ぐ2つの方法

個人的に慢心を防ぐための方法として、「継続的に危機感をインプットする」ということをやっている。どういうことか?おすすめは先端のテクノロジーに触れたり、海外を見るということがいい。

たとえばChatGPTを始めとしたAIに触れると便利な半面、漠然とした恐怖を感じた人も少なくないはずだ。自分はすぐ課金してChatGPT4を使ってきたが、「これは成果物や付加価値によほど高い属人性を持たせないと、あらゆるビジネスがあっという間にコモディティ化してオワコンになる」と実感した。事務職の単純作業や繰り返し作業はまさしくまもなく消えるだろう。感情労働の筆頭であるコールセンターは「まだまだ先の話」だと思っていたが、特に物流業界においてすでに我が国でも高性能なAIが応答を代替している。心から驚くほど高い精度である。

またビジネスを参考にする上で自分は意識的に海外の洋書、YouTube動画などを見るようにしているが、成果物の質だけでなく合理的な思考や付加価値の考え方などは非常に参考になることが多い。それだけでなく、ビジネスへのコミットメントが異常なほど高い熱量を感じることも多く、「これはうかうかしているとやばい」と危機感を覚える。のんびりと生ぬるい温泉に浸かっている場合ではないと感じる。

特に恐ろしいのが中国人、韓国人ビジネスマンから感じる熱量である。彼らの一部は悪く言えば強欲なのだが、その強欲こそがとてつもない行動力を作り出している。ライバルが激しく、グローバル競争を意識した彼らのビジネス意識の高さに大いに刺激をもらうことが多い。今の時代、必ずしも仕事をする上で肉体を海外に持っていく必要はないが、インターネット空間を通じて意識を激しい競争の現場に晒すことで「これは慢心している場合ではない!」という危機感を常に意識することができるだろう。

たとえばYouTubeの世界を見ても、最近はAI翻訳、AI音声の向上で海外の英語圏でヒットした動画を日本語にして「輸入するチャンネル」も増えている。内容の多くは世界の政治や経済ニュースなどだ。ちょっと前までは不自然でおかしな日本語で、とても長時間の視聴に耐えるものではなかった。しかし、最近はプロのナレーション収録と見まごうほどのクオリティのものも出ており、大変な危機感を覚える。うかうかしていると日本語をまったく知らない、でもAIが得意な外国人に日本市場を奪われてしまうような切迫感を覚えるほどだ。AIの進化でこれまでのように「日本語の壁」はもうないのである。ちょっと蓄財が進んだ程度でのんびりしているとすべてを奪い取られる、くらい大げさに考えて日々努力を意識したい。

 

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