同じ疾患を持つ患者さんに、同じ薬を同じ量だけ投与しても、効く人・効かない人、副作用や副反応のない人・弱い人・強い人がいる。お酒を飲んだ時の反応も多種多様だ。個人差を理解するには、遺伝子多型や環境の違いなど多様性を理解することが不可欠だ。これを理解することが、健康で長生きすることにつながり、医療産業の発展にもつながる。

人工知能も突き詰めていけば、多様性を理解する科学である。多様性の理解の基礎は遺伝学である。この分野の教育がお粗末な日本の弱点がボディーブローのように日本の弱体化を引き起こしている。

編集部より:この記事は、医学者、中村祐輔氏のブログ「中村祐輔のこれでいいのか日本の医療」2024年1月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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